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不動産 日系企業の動向に見る  トレンドを探る

不動産 日系企業の動向に見る  トレンドを探る

New Year Special, 2015 Issue 「Kigyo Gaikyo News 」

ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ワシントンDC、ボストンなど大都市圏での不動産賃貸や売買が活発化している。トヨタが2017年に移転を決めたテキサス州も熱い
視線が注がれ、アジアからの投資ツアーなども増加傾向にある。米国はグローバル視点で見ればカントリーリスクが最も少ない国。日系大手不動産会社もここ数年の間で、商業用、住宅用などの新築物件を手掛けながらさらにその勢いを加速させている。同地域を中心に活躍する日系の不動産及び関連企業のトップに最近の傾向と、今後のビジネスの将来性などを取材した。

 

不動産を通じ日系企業を応援したい

外観イメージ

「(仮称)270 ブラナン開発計画 外観 イメージパース

ニューヨーク、ワシントンD.C、サンフランシスコの3都市を中心に事務所ビルを保有し、賃貸事業を展開する三井不動産の現地法人・三井不動産アメリカは、米国内での開発を活発化させている。
2014年9月16日には、ワシントンDCのCBD地区に開発していた商業用ビル「1200 17th Street Bldg.」が竣工。同地は、ワシントンDCでも有数の商業地域があるコネチカットアベニューに近く、主要幹線道路からも近い。地上11階、地下2階のビル。貸床面積は約16万8千平方フィート。三方道路の立地を活かした設計で、屋上にはルーフバルコニー、地下にはトレーニングジムを設置し、オフィスワーカーへのサービス機能も充実させている。これで、ワシントンDCにおけるオフィスビル事業は、「1090 Vermont」、「700 6th street」、「Homer Bldg.」に次いで4件目となった。
さらに、ニューヨークで、今、最もホットなエリアといわれている北マディソンスクウェアパークの賃貸住宅事業にも参画。同プロジェクトは総戸数318戸42階建てのタワー型賃貸マンション。緑に囲まれた市民の憩いの公園「ブライアント・パーク」や百貨店、レストランなど飲食店が集中する地域に建設中のもの。
地下鉄3路線2駅(「33rd St.」駅、「34th St./Herald Square」駅)から徒歩5分に位置し、通勤が便利なことから、2015年秋の竣工だが、既に、業界内外から熱い視線が注がれている。同社は、グループ会社を含め、米国での不動産事業を成長分野と位置付け、ニューヨーク、ワシントンD C、サンフランシスコの3都市において合計6棟のオフィスビルを保有、賃貸事業を展開しているほか、ハワイでは、ハレクラニホテルを含む2棟のホテル事業も行っている。
吉田幸男社長は、「2014年9月に着工を開始したサンフランシスコ市内のオフィスビルでは、とりわけIT系企業に人気のあるソマ地区に立地することが、優秀な若い人材を確保するためにも重要な意味がある」と、サンフランシスコ市内に着工したばかりのプロジェクトを例に出しながら、環境と性能に優れた気持ちの良いビルは、優秀な人材をリクルートするための要件だと強調、新たな開発に意欲を示した。

大都市圏の不動産業は顕著な回復基調へ
オフィス賃貸、住宅投資にも明るい兆し

ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット州を中心に不動産仲介業を展開する住友不動産販売ニューヨークも新たな挑戦への一歩を踏み出した。2013年暮れにニューヨーク市内マンハッタン区の東42丁目と2 番街にあるビルディング(800)3階全フロアー購入し移転。
同社事務所スペースの他に余ったスペースを短期、長期のオフィスレンタルにと、賃貸事業にも乗り出した。
大石究社長は、賃貸事業に乗り出した理由を「これからも日系企業が米国に新しいビジネスの芽を探しに来るだろうと思います。この商業用コンドミニアムを購入した背景には、そうした傾向に加え、国連が近い関係上、外交官が必要とする小さな事務所のニーズもあるはずだとも考えました」「我々の場合は、進出後、『暫く様子を見たい』とか、『リース契約を交わしてしまうと拘束されてしまう』と考えている日系企業に対して、負担を出来る限り軽減できれば良いと考えています。また、会議室だけを時間貸しすることも可能です。とにかく、日系企業の方々に気楽に利用して欲しい」と、間貸し需要がこれからも増えるものと見越している。

世界42カ国に約4万4000人の社員を抱えるグローバル企業CBRE日系企業担当の藤原良雄副社長は、「不動産は、景気の影響を受けづらい業界。景気が良ければ『進出・移転案件』が増え、リセッション時期には『撤退・整理の相談』が増える。
こうしたサイクルの中、ここ数年、ポジティブな相談が多い。特にテキサスやメキシコに関する問い合わせが増えている」「米国内では、北カリフォルニア州のIT企業やゲーム・エンターテイメント関連企業がスピーディな動きを見せている。また、エネルギー関連を中心とした様々な産業の動きから、テキサス州に対する関心も高まってきた」と、不動産ニーズの高まりを顧客ベースで日々実感していると強調した。

賃貸、投資ともども、時期とタイミングが重要

一方、パーソナルタッチな個人経営で成長を支える不動山仲介業者も手応えを感じていることを吐露する。
駐在生活に終止符を打ちボストンで独立、今年で12年目を迎えるオリエンタル・コネクションズ LLCの古賀忠光社長は、「ここは落ち着いたアカデミックな街。ボストン近郊の物件を投資用として、富裕層が買うケースが多い。その場合、米国に住んでいるアジア人が意外に多い。良い物件さえあれば、空室があっても何カ月も空くここはない。利回りも良い。さらに、キャピタルゲインが期待できる。特にボストンは、資産としては、インカム、資産運用としての価値は大きい。うちは、テナントが付いている物件を紹介する。年利4・5%から7%で確実に回せる。そうした物件を年間10件ほど成約出来れば嬉しい」と、投資・管理の新たなビジネス展開の可能性に夢を膨らませた。

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テキサス州のダラスを拠点に活躍する松下不動産の松下昌子社長は、「これからテキサスじゃないですか」と、2017年トヨタの本社移転に伴う南カリフォルニア州からの関連企業の大移動を示唆した。特に、カルフォルニア州を拠点に商売を展開していたアジア系富裕層がテキサス州へシフトするケースが多くなっていると付け加えた。その上で、不動産購入の勢いが加速していることに言及、「中国の銀行で、『45%の頭金が出せれば残りはローンできる』という銀行も出てきた。投資用として購入するアジア人が多いことからこうした金融商品が出ていることを考えれば、日本人もキャピタルゲインを狙った投資がこれから盛んになってくるはず。
アパート物件の購入は、テキサス州は、ユニット数が多いことからかなり金額が張る。しかし、一戸建ての良い物件を投資用に持つには、今が一番良い時期かも知れません」と、同州のこれからの発展に期待した。

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ニューヨークを拠点に過去15年間、商業不動産ばかりを扱ってきた増渕リアルティの増渕 敬子社長は、ここ数年、ニューヨーク不動産業界の注目すべき動きとして、クールジャパンに合わせた日本からのリテールやレストラン進出があることを指摘した。今まで、東南アジアや中国に向いていた目が、少しずつニューヨークに向きつつあるというのだ。

「ニューヨーク市のマンハッタン区の地価は高い。しかし、ここでの成功が世界にも繋がると考えれば、それはリーズナブルな高さ。ビジネスはすべてがタイミング。能力やスキルも大切だけれども、今は、この波に乗ることが一番大切なのではないか。
高騰する家賃もビジネスが好調なら、それを充分に吸収でき、より以上の利益が取れる」―― そのためには、マーケティング力が必要だとしてコンサルティング業務などに力を入れながら、顧客満足度の高い仕事を目指すことに力を注いでいる。

 

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