日産が大規模な投資を決めた アグアスカリエンテス州とは?
New Year Special, 2015 Issue 「Kigyo Gaikyo News 」
日産は20億ドルを投資してアグアスカリエンテスに新工場を昨年11年に建設した。
この巨額な投資額は、メキシコ国内における外国企業による直接投資額の最高額となった。新工場開所式においてCEOのカルロス・ゴーンは、「メキシコ日産は、製造、生産性、競争力、顧客満足におけるグローバルベンチマークです。メキシコで3番目となる本工場への投資は、メキシコ日産の世界水準の生産能力を更に増強し、アメリカズ地域における、メキシコ生産車への需要増への対応を目指したものです。これにより、メキシコ市場における日産のリーダーシップは更に高められ、グローバルな成長計画が強化されることになる」と日産のグローバルベンチマークとなるメキシコ日産の位置付けを強調したコメントを述べた。
さらに、日産は生産能力を年間85万大超に、アグアスカリエンテスにて3000人以上、間接的には9000人以上の雇用を創出することが予想されている。
相次いでメキシコに生産拠点の建設や増設が進むが、日系の大手自動車会社の進出で並列して経済成長が著しいのはグアナフアト州とこのアグアスカリエンテス州である。現在、グアナフアト州はホンダとマツダが工場を新設。現在は日本人が5000人働いている。アグアスカリエンテス州も日産が新拠点の地として選んだ大きな理由があり、日系企業の多くが最も注目している州だ。現在、日本人の労働者は1000人にも及ぶ。

Nissan Mexicana President Jose Valls http://blog.nissan-global.com
◆◆ビジネスの展開に適する好環境◆◆
アメリカとの国境であるTampico やVeracruz、Nuevo Laredo、 Manzanillo、Lazaro Cardenasのそれぞれの港にアクセスの条件も良く、ビジネスを展開するのには理想的な立地。またラテンアメリカで3つの環状線を持つ最初の州でもある。また、45年間ストライキが起きていないという記録的な労働環境も良さを誇る。
◆◆経済成長率の高さは国内1位◆◆
3年と10カ月で5万2000人の雇用を生み出し、社会保険に登録される労働者の数は年間6・7%増加したスタンダードプアーズとフィッチレイティング社は良好な財務運営により、州の信用評価をあげている。またスタンダードプアーズによると、経済管理においてアグアスカリエンテスは、ラテンアメリカのモデルであると言われている。また、バナメックス、シティグループのアナリストは、今年の同州のGDPの成長率は4・8%となり、国の平均の2%を上回ると予想している。
◆◆主力は自動車産業◆◆
製造業では国内第一位の自動車産業。車の製造産業は州のGDPの3分の1、2017年後半、年間100台を超える車両生産となる。現在、107のプロジェクトが計画され、そのなかの73は自動車産業。 その他の産業の34はその他の産業となっており、全体の投資額は約60億ドル以上になる。
◆◆優秀な人材のポテンシャルの高さ◆◆
同州の労働者は50万人で年齢構成も比較的若い。そして高学歴を誇る人材が多く揃っている。経済開発協力機構の学習到達度の調査によると国内で数学第一位、読解力第2位、理科が第3位となっている。国内初の第二カ国語技術大学も所存している。さらにアグアスカリエンテス自治大学のカリキュラムの強化を目的とし、日本の神奈川大学や東海大学と学術提携や日本語教育提携を結んでいる。よって多くの大学生が日本語を学んでおり、第二カ国語の選択として日本語が英語よりも人気が高い。
良好な生活環境と安定した治安 日本の文部科学省の認定を受けた日本人学校があり、最新医療機器を備えた日本語が通じる病院も1件ある。大きなショッピングモールも点在しており、スポーツ大会なども盛ん。また国内でも治安が良いと評判の同州は、国内初めて100%の認可を受けた統括警察を持ち、安定した治安レベルを維持している。
資料提供:アグアスカリエンテス州政府