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ビジネスの流れを変えた シェアリングビジネス

 企業概況ニュース 2015年2月号掲載

最近のウェブサイトから生まれるサービスのウリとして飛び交うキーワードは「シェア」「効率化」「スピーディ」。 世界全体の最先端をいくサービスは、インターネット上で作られたコミュニティとサービスを最大限に利用して、仕事や生活面において、『効率的、そして経済的にシンプルに』をテーマにしているような傾向がみえる。ここ最近、話題となっている「シェアリング」のビジネスに焦点をあてて、これからのビジネスの方向性、米国の消費者は何を求めているのかを分析してみる。

 

SNS感覚で流動性高い繋がりがキーワード

SNSが浸透している現在、B to Bや個人と個人の間での距離の取り方に変化が出てきている。都合の良い時に都合の良い人が都合の良い場所に集まる。
こうしたゆるくてフットワークの軽い他人とのつきあいが簡単にできるようになった。これらは、流動性が高く、規制やしがらみがない自由でフレキシブルなコミュニティという特徴がある。こうした感覚は、さらに進化して、ビジネスにも浸透している傾向があり、「シェアリング(共有型)」という形となって、最近のビジネスの流れを変えようとしている。

迅速に暫定的に必要な時だけ「シェアリング」というビジネスの概念

時代の先端をいくアントレプレナーたちはこのSNSと最先端のIT技術、そして「効率化」を求める消費者行動の傾向を統合させたビジネスの可能性を見出し、新しいビジネスがここ数年で次々と生み出されている。
昨年も話題になった「Airbnb」 もSNS感覚の新しいタイプのビジネスのひとつ。Airbnb は、自分の所有する部屋を旅行者や短期、または長期滞在者にレンタル提供するサービスである。部屋を提供する側はまったくホテルの経営者でもない。

airnbnbアプリのscreen shot

airnbnbアプリのscreen shot

ここにリスティングされている部屋はホテルではなく、普通の人が住むレジデンスのアパートメントの一室だったりする。特にホテルの値段が平均4 0 0 ドルもするニューヨークでは、一泊100ドル程度で借りられるAirbnb の方が、断然需要が高くなるのは避けられない。部屋を所有する住人がゲストに貸すという方法なので、違法営業のホテルという扱いにもならず、法的な罰則も課せられない。このサービスはシリコンバレーのスタートアップ企業が始め、瞬く間に話題となり利用者も急増した。

世界的に広がるAirbnb は、バックパッカーが主流なヨーロッパ人の利用が最も多く、今やリスティングの58% がヨーロッパの物件だという。 自分の住む家を他人とシェアする、または貸すといった傾向は世界的に高まっており、非営利団体名「カウチサーフィン」も、また新たな社会現象として話題を呼んでいる。世界中の登録メンバーが宿泊先を提供、そして求めている人たちとSNSのコミュニケーションの中で情報交換が行われ、宿泊先のシェアをする。世界中で900万人の利用者がおり、12万都市の登録がされている。

さらに、他人の所有する自動車を借りられる 「RelayRides」、配車サービスの「uber」、乗車シェアができる「lyft」や「Sidecar」などのカーシェアリングのサービスも人気だ。Sidecarは今自分がいる場所の近くを走るドライバーをアプリで検索し、目的地まで乗車シェアをしてくれる個人ドライバーをアプリで検索ができるサービスだ。ドライバーが値段を自由に設定できて、乗車したい人も値段が選べる。
あくまでも個人と個人とのサービスの取引となっており、支払いもアプリで簡単にその場でできる。


PARKINGPANDA」は、アプリで近隣の空いている駐車場をリアルタイムで探して予約ができる。これらの駐車場は駐車場会社が所有する大きな駐車場から個人の家のガレージやドライブェイなど検索できる駐車場と形態は様々。
個人の駐車場などを提供する場合も、自分で値段が設定できて、収入が入る仕組みになっている。

ビジネスでも使えるシェアリングのサービスも登場している。「freelancer.com」は、フリーランスで仕事をしている専門職の人などがサイトで探せるサイトで、今やフリーランスでその分野を極めるエキスパートが簡単に見つけられる。今までのcraigslist のような掲示板のようなサイトでもこうしたフリーランスの仕事のポスティングなどは普通に行われていたが、これはさらにリアルタイムに迅速に、仕事の依頼が可能。多忙時や緊急時の補助などが必要な時に迅速にオンライン上で作業をしてくれる人を探せることができる。フリーランスの人にとっても仕事探しの場として利用できる。

同様なサービスで「PA For a Day」というサービスもある。ちょっとした用事を人に頼みたいという時のパーソナル・アシスタントの人材紹介サービス。現在、ニュージャージの一部の地域と、ニューヨーク市、そしてワシントンD.C.エリアで行われている。犬の散歩、ビルの支払い、電話番、グロッサリーの買い物からビジネス用のアシスタントの募集もかけられる。時給は20ドルで拘束最低時間制限は2時間。個人用は数時間の契約となるが、ビジネス用はもっと25時間から70時間のパッケージで利用が可能。エグゼクティブ・アシスタントやオフィスマネージャーなどのポジション、またさらにパーソナル・アシスタントも探すことができる。
リアルタイムのチャットで仕事の進捗をトラッキングでき、また人材派遣会社よりも格安という面がウリとなっている。スキルを必要な時だけ売り買いを行うという概念はシェアリングビジネスの特徴でもある。その他にも「クリーニング」「所有物の貸し借り」など、ニーズがさらに細分化され、特化したサービスが幅広く存在している。

シェアリングのこれからの可能性

このシェアリングというビジネス形態は、スモール・ミディアムビジネスや、個人での収入が得られるという魅力も兼ね備えているのが特徴でもある。個人と個人の商取引のスタイルは、 eBay やアマゾンのマーケットプレイスが源流となり、クラウドファンディングにも通じるものがある。
これらの根底にあるのは「多様化」と「効率化」。ビジネス分野の多方面から「多様化」が叫ばれているなか、よりニッチなポイントに絞ったニーズに応えることが、重要視されるようになった。さらに効率的に、インスタントにどれだけビジネスコストを抑えて利益を生み出すことができるかが今のビジネスの潮流ともなっている。

そして大きなポイントともいえるスマホアプリの利便性を最大限に活用している点に触れたい。これらのサービスのほとんどはシリコンバレーのスタートアップビジネスの企業が始めたものが多く、リアルタイムの情報のアップデート、クラウド技術、スマホのアプリとの連携など、こうした高度なITの技術は欠かせない要素となっている。
さらに、SNS の感覚のネットワークを使って、需要と供給というマッチングの仕組みを最大限に利用する。これからもC2C (Consumer-to-Consumer)やP 2P(Peer to Peer)もしくはB2B(Business to Business)をベースとした分野はまた新しい形となって派生していく可能性があり、これからも注目されるビジネスの潮流のひとつといえる。

ひとつのアイデアでビジネスが生まれる。シェアリングはここ数年という短期間で急速に成長した。この早い流れの中にどうインパクトあるアイデアで勝負ができるかが、やはり大きなポイントとなってくる。多くの人の目に晒される機会を作り、どう印象づけて購買行動に繋げていくかがこれからの課題となってくる。