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竹中開発U.S.A  ヴァイス・プレジデントU.S.A 深田 潤 氏

将来を見据え、長期保有するのが竹中流

昨年12月に竹中工務店がKENNEDY WILSON社と共同でサンフランシスコのCBD地区にオフィスタワーを購入した。
現在、既存テナント退去後に向け、改修計画とリーシング活動が進行中である。同物件購入に先立つ昨年4月、竹中開発U.S.Aのニューヨーク事務所長に就任したのが、ハワイのカウアイ島にて13年間、600の客室と18ホールのゴルフ場を含むハイアットリゾートの保守・管理事業のトップを任されていた深田氏だ。 現在も、ニューヨーク事務所管轄下の米国各地と欧州を飛び回っている。
今回サンフランシスコの物件購入に至ったのは、IT・テック系に携わる若者たちの都市回帰を狙ってのこと。現在、将来を見据えた改修・リーシング計画を展開中で「市場が伸び盛りなので、非常に楽しみですね」と、この土地の将来性を感じている深田氏。
同社が不動産投資する上でのキーワードは“長期保有”と“プライム・シティ”であるという。前出のハワイのリゾート地を含め、同社が米国・欧州で保有している物件はどれも長期で保有し続けている。「投機的な利益よりも、資産価値を増やすのが竹中工務店の不動産ポリシーです。建設バブルが弾けた時代に、不動産を売らずに耐えた会長の理念です」。
そんな竹中マインドを継承する深田氏の海外歴任の始まりは、入社6 年目の建設事業でのシンガポール赴任だった。工場や空港の建設事業の現場を経験し、その後ハワイへ赴任。以来不動産事業に携わっている。

今後の米国展開は、「東京オリンピックに向け、いま日本の建設マーケットは非常に好調ですが、その後に予想される不況に備え、海外の資産を増やす。米国の主要都市を中心とした不動産投資が課題です」。

中東・中国マネー等の競合に対しては「彼らの決定の速さには勝てないが、気変わりも早い。契約直前に破棄などもよく聞く話で、そういった意味では、我々は信頼されていますし、長期保有できるオーナーが好まれます。昨年購入したマンハッタンのハイアット系ブティック・ホテルANdAZはハイアット側から直接オーナーシップのオファーがありましたが、これも一つ、信用の証なのではないでしょうか」と、日本人ならではの勝ち方も教えてく
れた。