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テックセクターが懸念されるオフィスマーケット

第13回【NY商業不動産ウォッチング】
テックセクターが懸念されるオフィスマーケット

ニューヨークのオフィスマーケットは空室率においては、昨年2016年第4四半期は8.1% で締めくくり、第1四半期の8.1%、第2四半期の8.1%、第3四半期の8.2% の空室率から大きな変化は見られず安定したマーケットであった。サブリースに関しては、第3四半期にニューヨーク全体で3,778,193 スクエアフィートが市場に出ていたが、第4半期にはさらに利用可能なスペースが市場に出て合計4,033,955 スクエアフィートとなり空室率が上昇している。

家賃の相場は、全ビルディングクラス(A,B,C) の平均家賃が第4四半期は、1平方スクエアフットあたり$65.44で、第3四半期の$65.11 よりもわずか0.5% の上昇が見られた。昨年初めの第1四半期の$60.27から比較すると大きな上昇である。クラスA ビルに限って言えば、第4四半期の平均家賃は、1平方スクエアフットあたり$72.34, 第3四半期$71.23 で、やはり第2四半期の平均家賃$62.19 から比較すると1年間で大きな上昇が見られた。(CoStar 情報)
全般的に昨年のオフィスマーケットは2002年以来の賃料の高記録を作り、低い空室率と合わせてオフィスビルの家主の立場からは、非常に良い年だったと言える。

しかしながら、一つ懸念されるのがテクノロジーセクターのテナントの新たなリース契約が昨年はスローになってきたことである。2017年のオフィスマーケットのアウトルックは、いかにテックセクターの雇用が促進し、それに伴いオフィススペースの需要が増加するかによるであろう。

リーテイルは業績不振で従来のビジネスモデルの変革期へ

一方、リーテイルマーケットは、このコラムでも何回か小売業界の業績不振と店舗販売の売り上げの落ち込み、それに伴う家主の店舗家賃の希望家賃の値下げを紹介したが、この現象は今年もまだ続くものと予想される。Macy’s は、クリスマス商戦でも期待した売り上げが見られず、新年早々、全米68箇所の店舗閉店と10,000の従業員の解雇を発表した。Macy’s 発表の数日後、今度はSears が108箇所のKmart の閉店、42箇所のSears の店舗のクローズを発表した。

 

特に郊外のショッピングモールの小売業の打撃は大きい。

消費者の購買力が下がっているわけではない。この現象はオンラインショッピングが消費者が店舗に出向いて品物を買うという従来のショッピングパターンを変えているものである。経営者にとって高騰する家賃、不動産税、電気料、保険などの諸経費の他に従業員の給料を支払い低価格競争の中で利潤を出し続けるのは困難となってきた。特に大資本を背景としていないスモールビジネスにとっては死活問題である。業種によっては極端な話、スペースを構える必要が昨今無くなってきている。

オンラインビジネスが多様化をする中で、さらなるビジネスの展開と飛躍を図ろうとすれば、業界によっては従来のビジネスモデルから発想転換を図り、消費者の求めている時代に適用したビジネスモデルに切り替える必要があるのではないか。

ただしリーテイル業界でもオンラインショッピングの影響を受けないヘアーサロンとかレストランビジネスは相変わらず強い。次々におしゃれなカフェやレストランが5-10年前まではとても考えられなかったロアーイーストサイドとかブルックリンの工場地帯のエリアに続々と開店している。日本からもヘアーサロンやレストラン進出がこの数年多い。

ニューヨークは、全米のみならず世界各国からビジネスマン、学生、旅行者が年間を通してやってくる大都市なので、 オンラインショッピングの影響を受けないレストランや商品、サービス業などはいつでも大きなビジネスの可能性を秘めている。

 

Masubuchi Realty, LLC. 増渕 敬子 社長
keiko@masubuchirealty.com