Home > CATEGORIES > コミュニティー・教育・医療機関 / 流通・サービス > 流通・サービス > Hotel > 第2回 【NY商業不動産ウォッチング】
中国本土から投資マネーの波

最近、中国企業によるニューヨークの不動産購入が活発になってきている。中国製hうは2012年まで自国の保険会社による直接の海外投資参加を禁じていたが、現在はCapital15%まで海外不動産投資をしても良いことに政策を緩和したことによる、中国の大手保険会社はニューヨークの不動産、特に商業不動産の購入に動いている。

政府の緩和規制により、中国はオフィスビルの購入額において昨年2013年、今まで外国企業のトップだったカナダを抜き、ニューヨークにおける一番の不動産投資国となった。

中国企業のニューヨークにおける不動産投資として、最近では北京に本社を持つAnbang保険会社が83年の歴史あるArt Deco様式のWaldorl Astoria Hotelを記録的な$1,95 billionで購入したと先月発表された。運営は現在の所有者であるHiltion Worldwide Holdings(Blackstone Groupがほとんど所有)が今度そのまま100年間にわたり引き継ぐことになる。

新しい所有者であるAnbang保険会社は1,232室のいくつかを住宅用として改装する予定であるが、現在の歴史的な壮麗さな外観などは保存することを約束している。

ただし、余談ではるが、Waldorf Astoria Hotelは歴代の大統領をはじめ世界中の有名人、著名人から愛されてきたニューヨークの誇る代表的なホテルであり、国連に派遣される各国からの大使の常連宿であることから、11月4日付けのニューヨークポスト紙によれば、頭頂などのスパイ行為を懸念していて、国土安全保障委員会などの政府関係筋より、再度この売買に対して吟味をするように申し入れがあったと報告されている。
この他にも最近の主な中国企業によるニューヨークの不動産投資は次に列挙してみた。

★ 上海のGreenLand GroupはブルックリンのAtlantic Yardsの開発に資金の70%にあたる200ミリオンドルを出資。

★ 中国最大手の住宅不動産デベロッパーであるChina Vankeが米国のパートナー会社と610 Lexington Avenue(East 53rd St)に61階建てのコンドミニアムを建設。China Vankeは資金の70%を出資する。2015年秋からセールスを開始し、2017年には入居可能の予定。

★ 上海に本社を持つデベロッパー会社であるFosun Internationalがダウンタウンにある60階建てのオフィスビル、One Chase Mnhattanを725ミリオンドルで購入。

★ Soho Chinaがブラジルのインベスターと共同出資でGMビルに700ミリオンドルの資金参加。

中国企業のアメリカにおける不動産投資の参加は始まったばかりと言える。1980年代以降に日本からの投資の波がアメリカの不動産を揺れ動かしたときとは違い、中国は非常に慎重に不動産投資を進めている。

大きな違いはまず投資の時期だろう。日本がロックフェラーセンターなどのトロフィ0ビルのみに焦点をあててショッピングスピリーをしていた1980年代後半は不動産の価格がピークの時であった。それに比較して現在は、まだPost Recessionの回復期であり、中国の投資家はマーケットに見合った価格より安く購入している。しかもトロフィービルだけではなく、様々な種類の不動産に投資することにより、リスクを回避している。

最後に、中国の投資家、特にデベロッパーは金銭的利益だけを追求せずにアメリカにといて、不動産開発に参加し、不動産物件の管理と維持を学ぼうとしている点である。

本土での不動産バブルが囁かれている中、中国の海外における不動産投資参加はまさに始まったばかりで今度はますます中国からの波はニューヨークのみならず、アメリカ全土をおそうであろう。