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TCI AMERICA PRESIDENT 矢野 典雄氏

最初の一歩はまず手にとって試してもらうことから
TCI AMERICA PRESIDENT 矢野 典雄氏

世界の名だたる大学や研究機関が集中する街ボストンには、世界中からの研究者が集まり、昼夜実験や研究がなされている。2年半前にこの地に本格的なSales & Marketing 活動を行うべく進出し、研究者と共存共栄する試薬メーカーのTCIアメリカは、米国でのその存在感を高めるため試行錯誤を試みている。
「研究者は保守的な方が多く、昔から使っている試薬メーカーの試薬を使いたがり、新しい会社を試そうとはなかなかしてくれません。そのため新参者が食い込んでいくのはハードルが高いですね」と矢野氏は言う。
北米で圧倒的なシェアを誇るのがシグマアルドリッチの試薬だ。約8割のシェアを持つ同社。研究者が新たな化合物を見出す際には膨大な時間とお金がかかる。万が一、試薬の品質が悪いと、それまでにかかった研究が全て無駄になる恐れもあるのだ。そのため、研究者たちは一層、今まで使ったことのある知名度の高いメーカーに固執し、新参者にはなかなか目もくれない。

また試薬の世界は最終製品ではないため、その良さが目に見えず、使ってみて初めて良さを知ってもらえるものである。手に取ってもらえるまでの最初の一歩が長い道のりだ。
「我々が一番大事にしているのは品質です。そして2番がデリバリーにかかるスピード、3番がコストですね。品質という点においては、業界大手のシグマアルドリッチにも負けない自信があります。だからまずは試しに使ってみて、良さを知ってもらいたい。NASAを始め様々な国公立研究所、大学、米国大手製薬企業等にも我々の試薬が納品されており、品質は確かです。また、日本で初めて液晶テレビの基になる化学品を作ったのも我々です」。

世界の研究都市・ボストンで存在感を高めて行く

日本では大きなシェアを獲得し、自信を携えアメリカにやってきた矢野氏。しかし、日系の製薬会社でさえTCI製品が使われていないことを知り、米国市場の厳しさを肌で感じた。と同時にこの国の潜在マーケットの大きさをも感じ、自社ブランドの存在をどうしたら高められるかが今後の課題だという。
「一昔前までは、弊社で扱っている約2 6,000以上の試薬を紹介した分厚いカタログをベースに注文が入っていたのですが、今では若い研究者を中心にネットでの注文が主流です。グーグル等の検索機能でほしい試薬品を検索したときに、上位にTCIの名前が出てくるようにすることと、更には研究者にフレンドリーな自社のウェブサイトの改革は必須です。世の中は激しく動いていると、特にアメリカに来て感じますね」。

世界中の有名な研究者が集まるボストンという場所で、世界で戦う厳しさを感じつつも、すぐ近くにクライアントがいる恵まれた環境と市場の大きさを肌で感じられるこの地は面白みがあると矢野氏は言う。一度製品の良さを知ってもらえたら、いつまでもリピーターになってくれる研究者たち。ひとりでも多くの研究者にTCIの製品をまずは手に取ってもらうこと。すべてはそこから始まる。