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米国進出の最新動向 日本から米国に進出する 企業の成功の鍵は――

日本から米国に進出する 企業の成功の鍵は――
『地域性の重視』『専門家の活用』『資金力と決断力』

「日本企業が米国でビジネスを始めたら、儲かるのか」――この答えはその企業による売る商品の選択、エリア、そして企業戦略によって大きく岐路が別れるところだが、今後も、ニーズの多様化を先取りしたビジネスセンスが一段と要求されることは確かだ。最近の傾向と、さらには専門家や実際に進出してきた企業のケーススタディの特徴を挙げながら、日本企業が米国進出にあたっての留意点に触れたい。

 

日系企業の進出は製造や飲食産業にとどまらず、雑貨やアパレルなど多種多様の業種へと広がりを見せている。『ユニクロ』や『無印』の成功は、日系企業の米国進出への流れを大きく変えたといっても過言ではない。カリフォルニア州にオープンした家具専門店「ニトリ」、メガネ専門店の「JINS」、100円ショップの「ダイソー」、さらに鞄メーカーの「エースは子会社の「ゼロハリバートン」旗艦店をニューヨークの目抜き通りのマディソン街に、また「鎌倉シャツ」も初の海外店舗を同マディソン街にオープン。今までとは違う雑貨や家具など、日本人のセンスと良いモノを生かした様々なジャンルで米国市場へ参入する企業が増え続けている。

ニトリ Aki home Chino店

ニトリ Aki home Chino店

飲食産業も10年ほど前から進出を加速させている。ニューヨークでは、特に寿司専門店からラーメン専門店、居酒屋など日本の食文化の広がりを見せている。ニューヨークにオープンした「大戸屋」は日本と同じ『定食』 の新メニューを打ち出して成功を収めている。こうした、日本でも知名度が高い大手フランチャイズが進出、成功することで、新たな市場開拓の余地が大きく広がってきたといえる。
他方、米国進出といえば『大企業』というイメージから、ここ最近の傾向としては中小企業や個人オーナーが増え続けているという山口ライオン会計事務所の山口猛氏。NY州公認会計士パートナーとして40年以上も日系企業の米国進出を支援し続けている。

「最近では、初めて米国に進出するという企業は中小企業の方が多いですね。また家族を連れて独りで米国で勝負したいと企業を立ちあげようと乗り込んでくるチャレンジ精神の高い人もいます」
米国進出の壁は以前と比べかなり低くなったと感慨深げに語る。
前述した企業は、ゼロから新しく米国法人を立ち上げるケースだが、米国進出の狙いといっても、各企業によって事業展開の方法やカタチは多種多様。それぞれの企業の立場で「米国」というマーケットの市場を多角的に見つめている。

例えば、顧客ベースの拡大、市場開拓のための拠点設立、技術やノウハウを含めた合併進出、効率化やコスト削減を目的とした提携など目的は様々だが、ニュー ヨーク・ジェトロの秋山士郎ディレクターは「ここ2年ぐらい、M&Aでのマーケット拡大型が多く、米国企業とのM&Aによって、顧客ベースやネットワーク の拡大を狙っています。医療関係や精密機器はネットワークが重要なことから、日系企業だけの力では難しいところを補い、さらに事業拡大への可能性を追求し ている」と、伸ばしたい事業に集中したM&Aは今後もさらに伸びるだろうと予測する。

 米国進出の留意点と成功の決め手となる3つのポイント

米国進出の成功ポイントとして共通項が3つに絞られる。それらは、①米国をひとつの国として捉えるのは危険(市場を決定する地域を精査する)②ローカルのマーケットを熟知している専門家を雇う ③ 成功への鍵は高い資金力と早い決断力――である。米国の国土は広い。日本と同じマーケティング方式では立ち行かなくなる。

以下は、具体的に3点を専門家を交えて掘り下げてみた。

①米国をひとつの国として捉えるのは危険
(市場を決定する地域を精査する)

大きなテンプレートで米国を図ってしまうという点が米国ビジネスを始めるにあたっての落とし穴と言われている。だから東西南北、地域を超えて、同じ味が理解できるとは必ずしも言えない。センスや知識の度合いも大きな格差が生じる。常識が常識で通じない場合もある。

「マーケットの多様性の幅が広い。受け取る側がいくつもの層に分かれているため、企業にとってもアプローチしやすい。ただし、その反面、広すぎるため、まず地域性に大きな違いがある。まずアメリカをひとつの国として考えないようにすることが大事です。欧州28ヶ所よりも米国の方が大きい。ニューヨークからロサンゼルスまで飛行機で6時間もかかる。ロンドンから飛行機で6時間行けばモスクワの裏側を超えてしまう。地域によって気候風土がガラッと変わってしまう」(秋山士郎氏)。

ひとつの商品が売れたから違う地域でも売れるという単純な考えではなく、その地域ごとに合ったものを売るということが重要になってくる。某大手日系のリテール業は、米国内でオープンするエリアをロサンゼルスのオレンジ・カウンティに決めた理由を次のように応えている。

「この地域は人口が増えていて、住人の所得も平均以上が集まっているエリア。また流行に敏感でトレンディなイメージが強い。当店の商品は東南アジアから、また、中国から船便を利用して仕入れているため、輸送コストが抑えられるというメリットもあった」

日本でメガネ専門店としてチェーン展開をしているJINSの株式会社ジェイアイエヌは、2013年12月に米国法人JINSアイウェアUSインクを設立。今年にも100坪以上の旗艦店をサンフランシスコ市のユニオン・スクエアにオープンする。サンフランシスコに1号店を選んだ理由を同社の社長、富田晋輔氏はこう語る。

「サンフランシスコは自由と多様性。ベンチャー精神が高く、民族も多種多様、それが当社の社風や精神にマッチし、受け入れやすいだろうと思いました」

製品のポートフォリオを多数持っている企業の場合は、その商材に応じたパートナー先を選ぶということが可能となる。パートナーと協力して、販売や物流など自社で持っていないリソースを補う。物理的に遠くなればなるほど、リーチアウトしにくくなってしまう。アメリカを西部、南部、南東部、北東部、中西部といった地域で分けてマーケティングを考えることが大事になる。

さらに、ビジネスパートナーと1社組めば安心なのかといったらそうではなく、地域別に代理店を分けるなど状況に応じて工夫が必要となる。さらに、アメリカで売れる製品、サービスなど何をどの地域に持っていくかを明確にすることも大事だ。内容、値段、サービスの質が現地ニーズにマッチするように仕様を変える工夫も必要だと専門家は指摘する。

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