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米国実務最前線 実戦からのアドバイス

企業不祥事と闘う
米国実務最前線 実戦からのアドバイス

米国実務最前線 実戦からのアドバイス
激動の時代の不祥事   リスク予測と対応

トランプ政権になり実感されるが、世は激動の時代に入ったようである。これから激動になるかもしれない、と思う時期は終わったようだ。
人により捉え方は違おうが、トランプ旋風もこの時代の産物であると思う。これからも激変が二転三転と続き、新たに強烈な産物が登場してくるであろう。いわゆる予定調和の時代は終わり、これからしばらくは激動が必然であるかのようも思われる。

ランドスケープ(経営環境)が変わり続け、ターゲットとスタンダードが動き続ける時代は、ややもするとカオス(混沌)に陥るかのようでもある。
この濁流のなかでのリスク削減の舵取りはどのようにしたらよいのか。

「ブラック・スワン」の可能性の増加

金融危機直後から「ブラック・スワン」あるいは「ファットテール」というコンセプトについて語られるようになった。「確立は低いがダメージが壊滅的に大きいイベント」ということである。しかし、いま時代の振れ幅が広がるにつれ、これまではブラック・スワン(つまり確率が低い)と考えられていたイベントの中のどれかが起きる確率が増加しているように思われる。可能性をトータルすると「確立が低い」とはもう言えないのではなかろうか。
「ブラック・スワン・チーム」 

「ブラック・スワン・チーム」、つまり激動の事象のシナリオを分析し対応策を検討するチームである。名前はどうあれ、すでにこれを設置している企業はあるようだ。
映画「ゴッドファーザー」で、ファミリー同士の軋轢が始まった際に「有事参謀(wartime consigliere)が必要だ」という有名なシーンがあるが、これとも似たようなものであるかもしれない。
理想としては、このチームが常にスタンドバイしており、有事の際にラピッドリスポンス(即時対応)が出来るようにしておくことであろう。そこまでいかない正式のチームでなくとも、何らかの形での同様な対応体制を作っておくことは必須であろう。

思考と分析のパターンからの脱却

このいわば「有事分析対応チーム」において大切なのは、従来の思考と分析のパターンに囚われない、ということであろう。
予定調和の安定期においては、これまでの勝利の法則とその延長における思考と行動をすれば良かろう。
しかし、時代が激変する状況においては、既定路線の思考と対応では、当然対応が遅れるだけでなく、大きな過ちをおかす可能性もある。激動のリスクを分析し対応策を練るには、これまでにモニターしてきたデータにより予測されるシナリオだけでなく、それ以外のシナリオを検討する必要がある。そのためには新たな視点からの状況判断をする努力も要るであろうし、どうしても外部の声を取り入れていく必要もあるだろう。

激動における自然体

武道における「構え」において、どのような攻撃がきても対応出来るために「自然体」で待つという考え方があるが、これは鍛錬と経験を重ねたうえでの「自然体」である。企業においても、新たな知識と(外部からも含めた)経験を集積して、激動の時代における「自然体」を形成していくことが急務である。

 

齋藤康弘
米国訴訟弁護士
SAITO LAW GROUP PLLC
saito@saitolawgroup.com
www.saitolawgroup.com