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5番街 世界で最も店舗家賃の 高いエリアの タイトルを獲得

第3回 【NY商業不動産ウォッチング】
5番街 世界で最も店舗家賃の 高いエリアの タイトルを獲得

5番街が今までにも増して熱い動きを見せている。昨年11月19日付けのブルームバーグ紙の伝えるところによると、ニューヨークの5番街が、昨年までの香港のコーズウェイベイを抜いて今や世界で最も店舗家賃の高いエリアとしてタイトルを取り戻した。
平均家賃が1スクエアフットあたり3千500ドルの記録を更新した。これは、前年度2013年より13
・3% の上昇である。
アメリカの景気回復が順調である事に加えて世界中から旅行者が集まってくるニューヨークの観光業の強さを示すものである。
それに比較して香港のコーズウェイベイの家賃は前年度より6・8%下がり2番目にステップダウンした。中国本土の経済のスローダウンを背景に旅行者が落とす金銭が少なくなったことや学生による抗議デモがさらに経済の鈍化に拍車をかけたものと思われる。

 


 

5番街に店舗を構えるのは世界各国のリーテイラーの夢である

 ソフトウェアの巨大企業であるMicrosoft も今年677 5th Avenue に8 千700スクエアフィートのフラグシップ店をオープンする予定である。このエリアの相場価格は1 スクエアフットあたり2千749ドルの家賃であることから、年間の家賃が24ミリオンドル近くに達すると想定される。スニーカーで有名なSkechers も509Fifth Avenueの42丁目と43丁目に3千500スクエアフィートの店舗をオープン。15年リース契約での家賃総額は60ミリオンドルを超えると想定される。無印良品(Muji)も長い間空きであった475 Fifth Avenue の41丁目のコーナースペースに新たな店を近じかオープンする。41丁目の同じ通りには日系食料品店などが並びニューヨーク図書館の真向かいに位置する。一階が5千500スクエアーフィート、ロアーフロアが1万スクエアフィート総面積15,500 スクエアーフィートの軍艦店である。

2010年にユニクロ(Uniqlo)が 666 5th Avenuuに約9万スクエアフィートを15年リース( 年間家賃20ミリオンドル、総額300ミリオンドル)で契約をした時はレントの最高記録を作って業界を驚かせたものだが、この5年間で5番街はさらに家賃の記録を更新し続けている。一方、この家賃の高騰は小さなテナントにとっては大きな痛手でもある。特に5番街の中でもプライムロケーションである49丁目から57丁目にかけてこの高額な家賃を払えるのは小規模の店舗テナントにとってはほとんど困難なことであり、大資本を背景にした巨大企業だけが5番街に店舗を構え小規模のテナントはソーホー地区やブルックリンなどの他のエリアに移っていく傾向がみられる。

Masubuchi Realty, LLC. 増渕 敬子 社長