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オンラインストレージ ビジネス活用のメリットと注意点

ラップトップ、スマートフォン、タブレット、デスクトップと複数の端末からすぐに大事な書類を簡単に取り出せて保管、検索、ファイルの共有ができるオンラインストレージサービス。今やビジネスマンにとっては必須アイテムとなっている。競合も激化するに連れ、各サービスの質も向上も進み、数々の類似サービスが新しく出現した。今回はオンラインストレージサービスをそれぞれ比較して、ビジネス活用のメリットについて考察してみる。

社内でもアーカイブ、共有フォルダとして大いに活用

sugersync社内チーム、プロジェクトチーム、取引先の人と同じファイルを同時に共有できるのがオンラインストレージの最大のメリットである。ファイルの受け渡しとなると、Eメールにファイルを添付したり、USBなどで行われていたが、このようなオンラインでのストレージサービスを利用すればリンクのシェアやフォルダの共有、また複数のデバイスからも閲覧や編集が簡単にできるようになった。

オンラインストレージの基本的な使い方

現在のファイル共有サービスは、すべてシンプルなデザインと機能が特徴的。ファイルをストレージに保存・取り出し・編集をする方法は次の二通りある。
DropBox1.共有サービスに保存したいファイルをWebブラウザIE/Chrome/safari/Firefox)からオンラインストレージサービスのサイトに行き、アカウントにログイン。ファイルのアップロードはサイト上にあるアップロードボタンを押すか、またはドラッグ&ドロップで保存をする。Web上で自由自在にファイルを削除、追加、編集ができる。ただし、ファイルを開けるときは一度PCにダウンロードする必要がある。
2.専用アプリを使って保存をする。それぞれのサービスは無料のアプリを提供している。そのアプリをダウンロードすると閲覧も保存もウェブサイトからよりさらに簡単にできる。PCにアプリをダウンロードする場合はHDDに保存するのと同じ要領で操作ができる。但し、シンクする時間がPCやインタネットの環境によって時間差が生じるのが難点。

オンラインストレージのメリット

  • メールで送れない重いデータがすぐに共有できる
  • リアルタイム( その場)でファイルのアップデートが可能。常に最新版のファイルにアクセスができる
  • 外出先でもオンライン環境にあればどこからもファイルを閲覧・編集することができる
  • 複数端末間からもアップデートされたファイルにアクセスができる
  • 大きな容量で購入すればバックアップ用に、オンラインストレージとしても活用ができる
  • 大事なファイルの出し入れが簡単

どのオンラインストレージを選ぶ?

料金や容量もニーズに合った選び方ができる
オンラインストレージサービスの料金は無料から有料まで価格も幅広い。ほとんどのプロバイダは、クラウドサービスを利用する上では欠かせない高性能なセキュリティ機能をビジネス専用のプラン用に有償で提供している。Box.comはビジネスプランのさらに上を行くエンタープライズプランを用意しており、エクストラの料金を払えばeディスカバリ機能が追加され、セキュリティ強化のサービス、またITサポートサービスも含まれる。また、GoogleDrive もビジネス用はGoogle Apps」というビジネス用のクラウド型サービスの一環であGoogle Drive はビジネス用に積極的に提供を行っている。また、Google Drive は他と比べてプランも幅広く容量が多く料金も安い。1TB で毎月9・99ドル、無料のプランも15GBまで使える。スモールビジネスなどには特に人気のこのサービス。ひとつのビジネスアカウントを有償で利用し、みんなで共有するという使い方が一般的だが、サービスによっては利用するアカウントごとにユーザー数に制限がある場合がある。

近年で急成長したオンラインストレージ市場

約2年程前からデジタル化の急務と同時に徐々に成長し、現在は成熟期に入っている。サービス自体には新しいものではない。オンラインストレージのベンチャー企業は、急激にここ数年で増えた。革新的なクラウド技術によって大幅に安くサービスが提供できるようになったことから、多くの企業がこの事業に着手した。コスト削減が大幅に実現できるということがビジネス面においての大きな利点と、モバイル機器を複数持つクロスデバイスユーザーが急増したため、デジタルコンテンツの収納庫としての利用価値が一気に上がった。現在トップシェアの「Dropbox」は、2008年にサンフランシスコのDropbox Inc. 提供を開始した。創立者のハウストン氏がMIT の学生だった頃、USBドライブを頻繁に忘れたり、オンラインストレージサービスを利用していても、不具合や不便さを常に感じていたという自ら体験を元に理想のオンライン共有サービスを立ち上げた。今年に入り、同サービスのユーザーは全世界で4億人を超えたことが報じられている。成長が著しいこのオンラインストレージ市場で、新しいベンチャー企業は次々と誕生した。しかし、競合他社の急激な増加によって、企業同士は付加価値のサービスで勝負しようというせめぎ合いがヒートアップしている。クラウドという技術をどう安全性の高いものとして認識してもらうか、より低コストで高パフォーマンスの機能や使いやすいさがますます顧客に求められる厳しい分野でもある。

 

 

ビジネス用途プランを選ぶ:トラブル、セキュリティ対策

企業のデータを預かるという重要な役割を果たすオンラインストレージサービスゆえに、やはり安全、セキュリティ問題というのは避けられない。競争が激しくなった今、同業他社との差別化を図るため、ビジネスユーザーを対象にセキュリティ・ソリューションをウリにしている傾向がある。例えばGoogle は同社のクラウドにおいて、サービス品質保証契約(SLA)で稼働率99.9% 以上を保証とし、実績として2013年の障害によるダウンタイムは合計2時間、99.978 % の稼働率だったという安全性をビジネスユーザーに向けてアプローチをしている。表1を見ても分かるように、どのサービスも有償のビジネス向けのプランを用意している。より確実なセキュリティを求める企業はどんなに割高でもビジネスプランを選ばないと、安全性は保証されない。無料だったり格安のサービスはそれなりにデータが消えてしまったりなどのリスクが高いので気をつけた方が良い。また、データが何らかの障害を起こして消えてしまった場合のバックアップがきちんとされているか、カスタマーサポートのサービスは受けられるか、ファイル復元や通信データの暗号化、またハッキングや情報漏洩対策がきちんとされているか、サービスを利用する前に確認しておく必要がある。

オンラインストレージサービスの安全性

どんなに信用性の高い大企業のGoogle やマイクロソフトのオンラインストレージを利用するとはいえ、データの扱いはすべて自社責任に問われている。特に、絶対に社外から漏れてはならない機密性の高いデータを第三者に預けるということに、細心の注意を払う必要がある。ユーザーがすべてその機密データの扱い方について保管方法などの選択肢と知識を持たなければならない。だからといって自分のPCに保管しているのも安全ではなく、むしろ、クラウドの方が安全だという。PCはオンラインストレージが導入しているようなセキュリティ対策がされておらず、外部からの侵入が簡単にできるという脆弱性がある。また、多くの漏洩ケースの場合、見られないように閲覧制限をかけたフォルダなどの設定が間違ったために起こったというケースもよくある。うっかり鍵をかけたつもりが機密書類を全員に公開してしまうということにもなりかねないので気をつけたほうがいい。情報漏洩の対策は企業の信用にかかわる重要な課題である。IDやパスワードの流出や、公開制限の設定ミス、またサーバが信用性の高いものか(誰でもアクセスができるサーバなど)、ということを重点にサービスを選ぶことが必要だ。