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Home > エリア > NEW YORK > 在米日系企業のための組織・人事マネジメント 第2回
人の現地化をいかに進めていくべきか?

在米日系企業における経営幹部・管理者ポジションの現地化の推進は、駐在員の皆様にとっても、日本本社のグローバル人事の管轄部門にとっても、重要な課題といえます。

現地化を進める上で前提となるのは、日本本社が現地化推進の努力を惜しまず、常時、駐在員をサポートすることを、方針として明確にすることです。また日本本社側の努力として、直接、英語で米国現地法人の現地人担当者とコミュニケーションが取れる体制が不可欠です。日本本社は米国現地法人に対しては駐在員を介して日本語で指示を出しているケースが多いですが、駐在員はそれを逐次、英語に翻訳して現地スタッフに伝えなければならず、その「翻訳作業」に膨大な時間を取られ、本来の経営管理業務に支障をきたすケースが見受けられます。

以上の前提がクリアできれば、日本本社と駐在員が協力して現地化目標を設定します。目標には、①具体的に目指すべき現地化のレベル(現地化すべきポジション、そのポジションに求められる能力・業績レベル、全体的なコスト削減レベル等)、②目標達成のための具体的方法とプロセス、③目標達成に必要となる期間および資源、などが含まれます。

目標を設定すれば、現地化の実践に移ります。まずは現地人経営幹部・管理者の選抜です。当該ポジションにふさわしい経験・資格・実績を持っていることは当然ですが、性格面、会社への忠誠心、日本人とのコミュニケーション力なども考慮した上で選抜していく必要があるでしょう。

また現地人経営幹部・管理者のモチベーションを維持するための制度も不可欠です。公正な評価制度、評価結果を適切に昇給・ボーナスに反映する方法、競争力のある報酬パッケージの構築はもちろんのこと、キャリアパスの明確化とトレーニング機会の提供も重要です。米国現地法人の管理者という意識だけではなく、グローバル企業の管理者という意識を持たせるためにも、日本本社でのトレーニング機会や勤務機会を与え、モチベーションの維持・向上を促すことも大切です。

最後に、日本本社として考慮すべき点は、駐在員の帰任を適切に実施することです。現地化を成功裡に実行して日本に帰任した駐在員が、米国現地法人での経験・実績・スキルが生かされないポジションに配置され、モチベーションを落として、他社へ転職するケースが見受けられます。そのような事態を避けるためにも、日本本社は駐在員の帰任後の役割やキャリアパスを明確にし、駐在員が安心して現地化プロセスに専念できるよう配慮すべきでしょう。

 


中尾 和伸
中尾国際人事コンサルティング
オーナー/国際人事コンサルタント

関西学院大学社会学部卒、ピッツバーグ大学経営大学院にてMBA取得。関西経営者協会(現・関西経済連合会)、デロイト・トウシュ・トーマツ等勤務を経て現職。米国、日本を中心に国際環境下での組織・人事コンサルティングを提供。

連絡先:201-947-3651
knakao@nakao-ihr.com

 

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