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ダイバーシティなホテルの在り方 ―プリンスホテルの戦略―

PRINCE HOTELS USA, INC.
EXECUTIVE MANGER 清水 公一 氏

インバウンド需要が高まり、日本のホテル業界が活況だ。特に東京や大阪ではホテルの稼働率が軒並みに上昇している。続々と新しいホテルがオープンする中、ホテル側はその差別化に躍起だ。そんな中2016年7月にオープンした、プリンスホテル最高級ランクの「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」の評判は上々だ。お客様の約7割を外国人客が占め、またその内訳は米国籍が4割と最多だ。世界約100カ国に1300軒以上のホテルやリゾートを展開するスターウッドホテルとの提携により、世界屈指の一流ホテルの集まりであるラグジュアリーコレクションに加盟した当ホテルは、日本ではまだ数少ない最高級ホテルとして位置づけられる。プリンスホテルと言えば品川プリンスホテルが象徴的存在で、中価格帯のホテルというイメージが先行していたが、それよりもワンランク上を求めているお客さまにも利用してもらいたいという思いから、この最高級ホテルがオープンした。

ホテルの一番の売りとは。

Deluxe King Bed Room

「天空のオアシスで心地良い浮遊感を感じながら、広がる眺望と内装が一体感を生むデザインで美術館(=Gallery)にいるような雰囲気や高揚感を味わっていただけます。東京では珍しく周りに遮るものが一切なく、またひと際高い位置に作られているため、どの角度からも東京の景色が一望でき、抜群の開放感があります。またグランドプリンスホテル赤坂の旧館をリノベーションした『赤坂プリンス・クラシックハウス』は結婚式場として人気で、歴史あるこの邸宅は東京都指定有形文化財にもなっています。クラシックな建物と近代的なホテルのコントラストも、当ホテルの魅力を引き立てていると思います」と清水さん。一昨年、新たにニューヨークに事務所を構えたプリンスホテルでは、米国内でのブランドネームの浸透に力を注ぐ。ラグジュアリーなホテルが数多くあるニューヨークの街を身近に感じ、清水さんが感じることは「正直、日本のホテルのほうがランクが高い」。同じ名前の付くホテルチェーンでも、日本のほうが遥かにサービスの質がいいと感じると言う。日本のホテルは十分世界と戦っていける!と確かな手応えを感じつつある。

赤坂プリンス・クラシックハウス

国内43か所にホテルを展開し、国内どこでも同じサービスを提供するプリンスホテル。一方で、これからの戦略として、二極化する需要に応えるため経済的ホテルの着手も視野に入れる。2019年にオープン予定の宿泊特化型ホテルブランド「プリンススマートイン」は、1室1万円前後の価格帯とリーズナブルだ。首都圏他、地方都市や新幹線の停車駅、地方空港そばに建設を予定し、既存のプリンスホテルブランドと異なる宿泊に特化した“リミテッドサービス”のホテルとして展開予定だ。時代とともに変化するニーズに合わせ、既存の枠には捕らわれない次世代型のホテルとなる。

民泊、Airbnb、カプセルホテルなど滞在スタイルが多様化する現在。日本では今年6月から「民泊新法(住宅宿泊宿泊事業法)」が施行され、民泊が解禁される。一定の基準を満たす住宅であれば、届出手続きだけで民泊営業が可能となる。ホテルのライバルがホテルでなくなる時代だからこそ、多様性のあるプリンスホテルの底力が発揮できるに違いない。