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北米から南米、北はカナダから南はラテンアメリカまでを担当し、プロフェッショナル向けのオーディオやビデオのケーブルやコネクターを取り扱っている CANARE CORPORATION OF AMERICA(以下カナレ)。同社の箕輪社長は20年ほど放送業界に携わり、今の会社には2016年に移ってきた。「一度入るとなかなか抜け出せない放送業界」、その奥深さや魅力についてお話を伺った。

CANARE CORPORATION OF AMERICA
CEO 箕輪 真一 氏

アメリカでは「視聴者が楽しめればいい」

近年よく聞くようになった高画質を表す4Kという言葉。今やNHKなどではこれが8K まで進化している。もはや人間の裸眼では見れないような技術にまで進んでいるのが日本や韓国。そんな中、景気がいいとは言われていてもアメリカの放送業界は低迷気味が続いているため、大きな投資は行われていない。しかしそんな中でもアメリカのスポーツ放送はすごく視聴率を上げている。プロスポーツから大学スポーツまで一年を通して行われるこれらの規模は、日本とは比べ物にならない。ただ技術面においては「みんなが楽しめればいい」というところにとどまっているのが現状だ。しかし、映画やストリーミング放送には全く違う流れが出てきている。

普及してきているストリーミング放送

最近では多くの人が登録しているだろうNETFLIX やHULU などのストリーミングプロバイダー。スマホやPC、タブレットなどからも見れるという利点もあり、このような配信はどんどん普及している。今はYAHOOやGOOGLE もスタジオを持っている時代で、コンテンツも増え、様々な配信ができる状況になっている。しかし時代は進化しているといっても、これらに必要な機材が全てワイヤレスになることはない。そこで、同社がどんな機材をどういった機材で繋げられるか、といった見極めをしながらケーブルやコネクターを入れていくことが大事になってくる、と箕輪社長は話す。

簡単にケーブルやコネクターと言ってもたくさんの種類があり、データをできるだけ生の状態で飛ばすことのできるケーブルなどもある。例えばコンサート会場などで使われる光ケーブルは、生中継でもほとんど画像がずれることなく画面に写すことができる。こういったプロ仕様のものとなるとケーブルやコネクターを一つとっても複雑でニッチな世界。

そしてカナレが扱う商品は、放送業界にしかビジネスのチャンスがないと思いがちだが、そうではない。

ターゲットは間違いなく全米!

プロが使うオーディオ・ビデオのケーブルやコネクターというとテレビ局をイメージしがちだが、こういった商品は様々なところに使用されている。コンサート会場などもそうだが、スタジアムやアリーナ、そして教会など多岐に渡る。特にスポーツが年間を通して盛んなアメリカでは常に新しいフットボールのスタジアムなどが建設されている。こういった案件を追いかけることでシェアを拡げていく。そういった意味では商売の素材は放送局だけではない、全米にできる新しい建物がターゲットだ。

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もともと放送業界の中でもバッテリー・充電器を扱う会社にいた箕輪社長、一度この業界を離れ違うことをしてみようと思った時期もあったが、また放送業界に戻ってきた。とても専門的で高い技術を持ち合わせる放送業界で培われたものは他ではなかなか活用が難しい。日本のマーケットにおいてはトップのシェアを誇るカナレだが、アメリカではこれからが勝負である。「今年は一人ひとりが自信を持ち、CPA( = CONFIDENCE, PRODUCTIVITY, ACCOUNTABILITY)を大切に、お客さまとの人間関係を構築しながら品質を持って実証していく。ただ商品を売るだけではなくその後のカスタマーケアとサービスの体制をきちんとしていくことで、結果に繋げていきたいですね」。

同じ人達と長く付き合っていくことが多く、信頼関係が大切なプロの放送業界の中で、CPAをもとに今後もカナレはシェアを増やしていく。