米国ではシリコンバレーに次ぐ2拠点目
ジェトロは米国北東部の主要都市ボストン(マサチューセッツ州)に、スタートアップ企業の支援拠点として、「ジェトロ・グローバル・アクセラレーション・ハブ」を設置した。7日、拠点運営を受託したCICで開催された交流イベントで発表した。米国ではシリコンバレーに次ぐ2拠点目となる。
ジェトロ・ニューヨーク事務所
若松勇
交流イベントのジャパン・ライフサイエンス・イノベーション・ナイトには、日米のスタートアップ関係者など800名以上が参加し賑わい、パネル討議やピッチイベントなども行われた。ハブ設置を発表したジェトロ・ニューヨーク事務所の田中博敏所長は「CICと連携し、日本のスタートアップ企業のボストン進出、米国スタートアップ企業の日本進出の双方向の交流を支援する」と語った。
CICは世界最大級のインキュベーター施設で、約900社が入居している。スタートアップ企業のみならず、ベンチャー・キャピタル、アクセラレーター、日系企業を含む大手企業の研究開発部門なども多数入居しており、施設内で交流イベントを頻繁に開催している。ボストンのスタートアップ活動をリードする中核的存在の1つといえる。今年3月にはCICの交流イベントを運営する非営利団体ベンチャー・カフェが日本に進出したことでも注目を集めている。CIC のティム・ロー CEOは「日本ではスタートアップ拠点として、ボストンの知名度は必ずしもまだ高くない。日本の旅行エージェントと連携して、ボストンのエコシステム・ツアーなども計画している。」と話し、ボストンの情報発信を強化していく考えを示した。
ボストンはハーバード大学、マサチューセッツ工科大学など世界有数の大学が立地しており、特に医療機器、バイオテクノロジー、医薬品といったライフサイエンスの研究開発が盛んで、多くの関連企業も集積している。スタートアップも非常に活発で、CICをはじめとして、起業支援組織も多くみられる。

CIC のカフェスペースで開催されたジャパン・ライフサイエンス・イノベーション・ナイトの様子