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グローバル化を加速
ASAHI KASEI AMERICA, INC
President & CEO
有馬 大地氏

創業100周年を目前に控え、
グローバル化を加速
ASAHI KASEI AMERICA, INC
President & CEO
有馬 大地氏

4年後の2022年には創業100周年を迎える長い歴史を持つ旭化成。繊維から始まった事業は、約100年の間に多角化され、今ではマテリアル領域を始め、ヘルスケアや住宅まで幅広い領域に及ぶ。

米国ではマテリアル領域、中でも自動車関連事業を重要分野に位置づける。電気自動車に使われるリチウムイオン二次電池用のバッテリーセパレータは世界トップシェアを誇る。2017年には旭化成の総合力を集結し、安全運転をサポートするドライバーセンシング技術や快適な車内空間を創り出す繊維、コミュニケーションシステムなど27品目を搭載したコンセプトカー「アクシー」を日本で発表。また今年はさらに8品目が新たに搭載され、リニューアルされた。お客様に実際に乗って体感してもらい、旭化成の技術を示していきたい考えだ。アクシーに試乗すれば、旭化成の自動車事業に賭ける意気込みも同時に伝わってくるに違いない。

また米国における積極的な企業買収の一面からも、その意気込みは伝わってくる。2015年に、バッテリーセパレータ事業を持つノースカロライナ州のポリポア社を買収し、さらなる自動車分野における飛躍の布石とした。また、2012年にはボストン郊外のゾール・メディカル社を買収し、救命救急医療事業への進出を果たした。積極的な買収と相まって、米国の事業売上はグループ全体の10%まで伸び、急成長を遂げている。「国内需要の拡大が見込めない中、海外事業を伸ばしていくことは当社の大きな事業戦略であり、中でも米国は重要地域と捉えています」と有馬氏。

一方、住宅分野では米国事業の可能性を模索中としながらも、駐在員の帰国後の住まいに備え、戸建住宅「ヘーベルハウス」に関する相談窓口を設ける。年に数回セミナーを開催し、帰国に備え家を建てたいと思っている方に向け、住宅資金に関する相談も含め説明会を行っている。ヘーベルハウスは地震や災害に強いことを強みとし、耐火性や断熱性に優れている素材を使用することから日本の風土や建築事情に最適な家だ。また、住まい方を提案し、世代を超えて住み継がれる家を目指す。帰任後にはマイホームを、と考えている方は是非ヘーベルハウスの住宅セミナーに参加してはどうだろうか。帰国後の楽しみが増えるに違いない。

今回が初めての海外赴任となる有馬氏。「若いころは海外で働いてみたいと思っていましたが、今までそのチャンスは巡ってこなかった。ようやく夢が叶い、今回ニューヨーク駐在となりました。旭化成は2025年にグループ全体の売上高を3兆円にするという目標を掲げておりますが、2017年度の2兆円から1.5倍の成長をさせる必要があります。この数字に近づけるよう、北米のグループ会社間の連携やコミュニケーションをどう円滑に行えるかを考え、また、日本と米国の橋渡しになり、更なる信頼関係を築いていけるよう尽力していきたいですね」。