Home > エリア > NEW YORK > 第21回 【NY商業不動産ウォッチング】
ダウンタウン マンハッタン レポート

この寄稿を書いている今日は、9月 11 日である。

17 年前の 9.11 は、私にとっても永遠に記憶に残る日だ。地下鉄が止まってしまった中、バスと徒歩で娘を学校からピックアップしながら、ファイナンシャルセンターで働いている友人に連絡を取り続けていた。その夜、我が家があるアッパーウエストサイドにも独特な匂いが漂いワールドトレドセンターの廃墟から黒い煙が立ち上がっているのが見えた。

現在、ダウンタウンに居住する人口は 61,000 人と発表されている。 17 年前のなんと3倍の増加である。FiDi(Financial District)は、全米で3番目に大きなファイナンシャルビジネス地区であるが、次々に新しいアパートが建設されており今後も居住者の人口が増え続けるのは確実である。

ダウンタウンのオフィスマーケットに関しても強い記録が打ち出されている。2018年前半期のリース契約は、合計 2.7 ミリオンスクエアフィートでこれは、2011年以来7年ぶりの高い数字である。

TAMI(テクノロジー、アドバータイジング、メデイア、インフォメーション)のセクターがリース契約の大きな割合をしめ、全部のリーススペースの 36 %に当たる。2018年第二四半期のダウンタウンにおける一番大きなリース契約は、J.Crew’s の本社が Brookfield Place(225 Liberty Street)に 325,000 スクエアフィートの契約にサインをした。

次に大きな契約は、今年6月に完成したばかりの 80 階建ての 3 World TradeCenter に McKinsey & Company が 186,000 スクエアフィートの契約である。現在ダウンタウンのオフィススペースの平均家賃は、1スクエアフットあたり$ 60.99 で、これに比較してミッドタウンの平均家賃は$ 77、ミッドタウンサウスは$ 78 である。

Masubuchi Realty, LLC.
増渕 敬子 社長
keiko@masubuchirealty.com

《企業概況ニュース 2018 年 10 月号掲載》

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