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サイボウズ社長 青野慶久氏 ニューヨーク記者会見

夫婦別姓を求め
サイボウズ社長 青野慶久氏 ニューヨーク記者会見

夫婦別姓を求め

サイボウズ社長青野慶久氏 ニューヨーク記者会見

 

日本における選択的夫婦別姓を認める法制度制定を求めて、ソフトウェア会社サイボウズ株式会社社長青野慶久氏が12月30日、ニューヨークWe Work オフィスにて単独記者会見を開いた。

青野氏は選択的夫婦別姓を認めない現行の法制度により社会的、経済的、精神的な被害を受けたとして、国に計220万円の損害賠償を求めており、訴訟の第1回口頭弁論が4月16日、東京地裁であった。国側は請求の棄却を求める。

夫婦別姓を巡っては、最高裁が2015年、夫婦同姓を定めた民法の規定は「夫婦同姓は社会に定着した制度で、家族の姓を一つに定めることには合理性がある」とし、合憲と判断した経緯がある。そこで青野氏は結婚制度を定める民法のうち、第750条「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する」とする「夫婦同氏原則」を定める部分の民法改正を求めるのではなく、戸籍を管理する戸籍法の欠缺(けんけつ)として、日本人と外国人の結婚の際には夫婦で別の姓を選べるのに対し、日本人同士の結婚だけ別の姓を選べないのは、法の下に平等と定める憲法に違反していると主張する。 これには、戸籍法に一文を加える ことで、現実的に夫婦別姓が実現できるとする。

今回アメリカ渡航時にも、通称名として旧姓を名乗る本人と、結婚後の姓が記載されるパスポートを結びつける手立てがないため、新旧2冊のパスポートを携帯してきたという。アメリカでも記者会見を開くことで、古代から残る戸籍制度に縛られる、世界から理解されないガラパゴス化した日本の結婚・家族制度に、まずは一石を投じ、風穴を開けたいとする。次の青野氏の東京地裁での口頭弁論は12月5日に行われる。