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《富士フイルム・ホールディングス・アメリカ・コーポレーション》

イノベーション力で未来を変える
《富士フイルム・ホールディングス・アメリカ・コーポレーション》

FujiFilm 社長 兼 CEO 杉山 健 氏
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イノベーション力で未来を変える

プリント写真の良さを再認識する時代
富士フイルム・ホールディングス・アメリカ・コーポレーション
富士フイルム・ノースアメリカ・コーポレーション
社長 兼 CEO 杉山 健 氏

映画用フィルム国産化を使命に 1934 年に創業して以来、独自のフィルム技術を基盤に成長を続けてきた富士フイルム・グループ。現在は「イメージング・ソリューション」「ヘルスケア&マテリアルズ・ソリューション」「ドキュメント・ソリューション」の3つを柱に、「世界のFUJIFIM」として存在感を高めている。

新たなる事業領域での展開

2000 年をピークに写真フィルムの需要が激減し、構造改革の必要性に迫られたが、時代の流れを敏感に読み取った同社では、世界初のデジタル・スチルカメラを 1988 年に開発。その後も、数々の「世界初」となる技術を世に送り出してきた。その他ビジネス領域への多角化にも積極的に取り組み、オフィス向け複合機器をはじめ、光学フィルム、交換膜などの産業用機材電子材料、印刷用システムや材料、データストレージ用記録メディア、そして医療用画像診断機械やシステム、医薬、再生医療といったヘルスケア領域の事業にも参入していった。
中でも、X線フィルムやX線画像診断、内視鏡、超音波やIVD(体外診断用医療機器)などの『メディカルシステム』分野、そして医薬品やバイオCDMO製剤、再生医療といった『ライフサイエンス』分野での事業拡大が、今後の富士フイルム飛躍の大きなカギとなると杉山さんは睨む。2018 年末には、マサチューセッツ工科大学(MIT)と連携し、同社が開発した『リポソーム』を用いた核酸医薬品に関する研究開発をさらに強化していくと発表した。「これまでの抗がん剤は、がん細胞を叩くのと同時に健康な細胞も攻撃してしまい、効果の割に副作用が大きいという一面がありました。そこで弊社のリポソーム技術を使い、細胞膜や生体膜の構成成分である有機物のリン脂質をカプセル状にして薬剤を内包することで、抗がん剤治療の新しい幕開けとなることを期待しています」。

今の時代に伝えたいプリントの魅力

20 年の時を経て再び脚光を浴びる商品もある。インスタントカメラの『instax』だ。特にミニナイン・シリーズが絶好調で、全世界で 1000 万台という販売目標を掲げる中、その半分 500 万台を北米で販売していくことを目論む。デジタルカメラ時代の幕開けで一時は下火になった市場だが、2007 年に韓国や中国の人気テレビドラマで使われたことで一気にアジア市場に火が付き、現在では欧米を含む世界 100 以上の国と地域で販売されている。昨年5月には、人気シンガーソングライターのテイラー・スウィフトをグローバル・アンバサダーに迎え、さらなる人気拡大を狙っている。
「デジタルで撮影して保存するティーン世代にとっては、撮影したものがその場で飛び出し、画像イメージが浮き出てくることが新鮮だったのだと思います。そもそも、フィルムを見たことのない世代です。余白部分にペンでメッセージを書き入れて交換しあったり、部屋を飾るアートであったり、撮影したフィルムをスマートフォンで撮影してインスタグラムにアップするなど、記録手段としてだけではなく、友人や家族、そして仲間とのコミュニケーション・ツールの一つとして、若い世代を中心に受け入れて頂いているようです」と杉山さんは分析する。

良質でバリューあるコミュニケーションを

アメリカの最大の良さは、「そのオープンさ」だと言う。交換留学生として高校生の時に初めてアメリカを訪れた時から、ここには新しいものを受け入れる懐の大きさがあると感じてきた。富士フイルムに入社当時、医療画像診断システムの海外マーケティングに配属となり、MITへのMBA留学やアメリカのロビイストと組んだ海外広報活動、ドイツやフランス現地法人への駐在経験と、グローバルな視点を持つ杉山さんの言葉にはしっかりとした重みを感じる。
もう一つ、杉山さんが海外で学んできたのが『すべての基本は、コミュニケーションにある』ということ。「ビジネスでも日常生活でも同じなのですが、単に、外国語で意思疎通ができるだけでは意味がありません。目の前にいる人たち、お客様やチームメンバー、友人や家族と、どれだけ良質で、価値のあるコミュニケーションが取れるか。ここが非常に重要だと痛感する毎日です」。

ネバーストップの想いで、未来を変える

このような想いを胸に抱きながら、リージョナル・ヘッドクォーターであり、傘下である米国現地法人 21 社のファイナンス、HR、ITやリーガルといった間接部門サービスを管理する「富士フイルム・ホールディングス・アメリカ・コーポレーション」、ドキュメント・ソリューション以外の商品を扱う販売会社「富士フイルム・ノースアメリカ・コーポレーション」2社のトップとして、2017 年7月に現職に着任し指揮を執ってきた。

「ホールディングスとして一番重要なのは、間違いなくPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)です。いかに被買収企業に富士フイルムの価値観を伝えていくか。グループ全体の価値観『オープン・フェア・クリア』を理解してもらいながら、より良い製品を一緒に作りあげていく。そして海外最大市場である北米地域本社の役割としては、ヘルスケア領域の事業をいかに拡大させていくか。これが私に課せられた大きな使命の一つだと感じています。『Never Stop:我々は歩みを止めません』─── これが、現在ヘルスケア事業で展開しているスローガンですが、イノベーションの力で未来を変えていきたい。そんな富士フイルムの想いを込めました」。

社名に付く「フイルム」という枠に捉われることなく、活躍の場を大きく広げていく富士フイルム。この柔軟な姿勢や未来志向の考え方が、これからの世の中をさらに面白く、そして便利なものへと変えていくに違いない。

 

2016年にニューヨークに設立された、米国初の「ワンダー・フォト・ショップ」。ウォルマートなど大手量販店やドラッグストアだけでなく、ここでもフィルム現像やプリントができる他、パネルプリントやカメラ販売も行なっている。
FUJIFILM Wonder Photo Shop
176 Fifth Ave., New York, NY 10010

 

《企業概況ニュース 2019 2月号掲載》
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