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ミレニアル世代とのつきあい方

《執筆者》沖室 晃平 Kohei Okimuro
Pasona N A, Inc.
Vice President of Sales & Marketing

最近、バズワードのように「ミレニアル世代」という言葉をよく耳にし、また彼らの考え方の傾向や、上手なつきあい方などを取り上げている記事をしばしば拝見します。人事業界おいても、「ミレニアル世代」への理解度を高め、いかに彼らにモチベーションをもって仕事に取り組んでもらうか?は大きな課題です。

ミレニアル世代とは

 ミレニアル世代とは一般的に1981年~1996年の間に生まれたジェネレーションを指します。実際の年齢にして22歳~37歳の方々です。ミレニアル世代が人事の世界でもなぜこんなにも騒がれているのか? という理由としては、2020年にはミレニアル世代が世界の労働人口に占める割合が1/3になる予定であるということが挙げられます。もちろん各国により状況は異なるものの、特にここアメリカにおいてはその傾向が顕著であり、Pew Research Center(参照1)によると、2016年時点で既に半数以上を占め、それ以降は「最多労働人口」という位置づけを担っていきます。つまり、ミレニアル世代は米国での重要な労働力なのです。

 このような状況のもと、現在、在米日系企業の人事ご担当者様、また経営陣の方々におかれては、企業の業績アップのためにも、「ミレニアル世代とのつきあい方」について模索されていらっしゃる方が多いように思われます。ミレニアル世代については様々な角度からの考察方法がありますが、今回は「ミレニアル世代が企業に求めるもの」という観点から、彼らへの理解度を図ってみたいと思います。

ミレニアル世代の転職サイクル

 まずは、ミレニアル世代の転職サイクルの傾向をご覧ください。

◆ Millennial Survey

・ミレニアル層の約半数が2年以内に会社を辞めることを検討している
・5年以上同じ会社に勤めようという意志を持つものは28%にとどまる
(参照2:The Deloitte Millennial Survey 2018)

 アメリカの一般的な労働慣習としては、3~5年のスパンでキャリアアップのために転職をするという考え方が主流ですが、ミレニアル層の考える会社への在籍期間はそれよりも短い特徴があることが分かります。(本題からはずれますが、ミレニアル世代の次、Z世代に関しては、ミレニアル世代よりもさらに「1社で長期的に働きたい」という意思が弱まりつつあるという調査結果も出ております。)

 企業としては彼らへのリテンション対策が必須であると言わざるを得ません。

ミレニアル世代が企業に求めるものは?

 では、ミレニアル世代を理解するために、彼らが企業に対して魅力を感じるポイントと、会社に失望を感じるポイントの、それぞれを見てみましょう。

●魅力を感じるポイント=「なぜ今の会社に入社したのか?」

1. キャリアパスや昇進の機会がある(59%)
2. 給与や福利厚生が良い(54%)
3. 仕事内容がチャレンジング(47%)
4. 自分のスキルや興味にあう(47%)
5. より大きな影響を与えることができる(42%)
6. 会社の方向性に共感できる(39%)

●失望を感じるポイント=「なぜ前の会社を辞めたのか?」

1. 昇進の機会がない(45%)
2. 幹部のリーダーシップに対する不満(41%)
3. 仕事内容がチャレンジングではない(36%)
4. 職場環境や企業文化に対する不満(36%)
5. 給与や福利厚生に対する不満(34%)
6. 会社への貢献が評価されていない(32%)
(Source: LinkedIn survey, Why & How People Change Jobs, (Mar 2015). Showing global average)

キャリアパスやプロモーションについて

 「キャリアパスや昇進の機会がある」「チャレンジングである」が入社理由の約半数であることから、仕事に対するモチベーションの高さが伺えます。同時に、入社理由トップ「昇進の機会」が退職理由のトップでもあることから、ミレニアル世代は評価され肯定されることを望んでいることが分かります。企業としては、ミレニアル世代従業員のモチベーションをキープするためには、より頻繁にフィードバックを行い、密にコミュニケーションをとり、彼らに明確なキャリアパスを示す必要があるでしょう。

 また別のミレニアル調査によると、「入社後1~2年以内に昇進のチャンスを求めている割合は69%」という結果も出ています。(参照3: Millennials + Work)。「昇進の機会」というのが最も重要な要素であるミレニアル世代にとっては、そのチャンスが長引けば長引くほど外に機会を求めて転職してしまう傾向があるようです。企業としては、彼らと密にコミュニケーションをとることで、「会社がこの期待に応えられているか?」、また「 期待に応えていない場合、社員のモチベーションを維持するために何かをしてあげられているか?」を考えていく必要があります。

ベネフィットについて

 一般的に従業員リテンション策のひとつとして福利厚生制度を充実させるという考え方がありますが、ミレニアル層においても、前述の入社理由2番目「給与、福利厚生」が退職理由5番目であることからも分かるように、ベネフィットは重要なファクターです。また同時に、彼らが望む福利厚生には次のような特徴があります。

・フレックス勤務

 フレキシブルな働き方を求めています。勤務時間に融通が利く、在宅勤務などです。ワークライフバランスの方が給与より大事という声もあり、定着率にも大きな影響を及ぼします。

・継続学習の機会

 ミレニアル世代は仕事を通してスキルアップをすることを強く望む傾向があります。必ずしも大学院費用負担などの高額なものでなく、語学クラスや資格取得のためのクラス受講費でもOKです。企業として、従業員のスキルアップ研修や資格取得サポートに力を入れていくとよいでしょう。

・デジタルヘルスケア

 ITを利用した医療関連プログラムのことです。従来のヘルスプランより安価で、かつ医療費抑制効果があります。

・ウェルネスプログラム

 近年、導入を進めている企業を多く見かけます。従業員の健康促進やチームワークを強化するようなプログラム(インセンティブ付きの禁煙促進やウォーキングチャレンジなど)がその例です。これらは企業にとっても医療費削減効果があると言われており、Win-Winな制度です。

・フリンジベネフィット

 公共交通機関の交通費支給や、ヨガクラス、マッサージ代の費用負担、またフリーランチの提供などがミレニアル世代に好まれるようです。

・有給休暇の増加

 一般的にも離職理由の50%は、職場で極度の疲労(Burnout)してしまうことが挙げられています。ワークライフバランスを大事にするミレニアル世代にはもちろんですが、企業の生産性を上げるためにも、従業員が十分な休暇をとれる環境づくりはどの世代にも重要です。

ミレニアル世代とともに

 ミレニアル世代が台頭しはじめると、「転職」がこれまで以上に当たり前になってくるでしょう。企業としては、優秀な人材を採用し、リテインをし続けることは市場競争を生き残るために必須です。彼らがモチベーションを維持して長く働ける環境をいかにつくることができるか?いかに仕事を通して「成長」の場を与えられるか?まずは彼らを理解し、密なコミュニケーションをとることが何よりも重要だと考えます。ますますビジネスの中心を担っていくミレニアル世代とどのように付き合っていくのか、今後、企業にはさらなる工夫が求められるでしょう。何かお困りのことやご相談などがあればいつでもパソナまでご連絡ください。一緒に解決してまいりましょう!

【参照】

参照1 Pew Research Center
http://www.pewresearch.org/fact-tank/2018/04/11/millennials-largest-generation-us-labor-force/

参照2 The Deloitte Millennial Survey 2018
https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/global/Documents/About-Deloitte/gx-2018-millennial-survey-report.pdf

参照3 Millennials + Work
http://www.press.pickworthbell.com/department26/Millennials+Work.pdf

参照4 hierl
http://hierl.com/2017/09/28/6-employee-benefits-trends-2017/

《Come to America / 企業概況2019 掲載》

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