事業ポートフォリオを増やし、組織体制を強化
クリーク&リバー社の米国法人を立ち上げて今年で3年を迎える。世界の企業が、世界の優秀な弁護士をシームレスに、そしてリーズナブルに選び、自由にコミュニケーションを取りながら最適なアドバイスを受けられる───そんなコンセプトのもとでオンラインの「ジュリステラ」を開発・運営し事業を展開してきた。現在ではコンサルティングを軸とする「ジュリステラ」事業に加え、新たにいくつものビジネスを立ちあげて組織体制の強化を図っている。
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弁護士として、経営者として、経験豊富な木村さんが経営者の悩みに寄り添って話を聞き、どういった弁護士が必要かを判断し、ニーズに最適な弁護士を選んでチームをアレンジする。そして、弁護士のアドバイスがクオリティを満たしているのか、フィーとのバランスが取れているのかなどを冷静な目で判断する。コンサルティングにおいては、木村さんは「弁護士」と「企業」の繋ぎ役という立場に徹する。「弁護士としてはもう活動していませんので法的助言は行いません。しかし、弁護士と経営者双方の悩みと目的を熟知していますので、ビジネスと法律との直接の対話のみでは生じがちなギャップを解消する一歩踏み込んだアドバイスを行い、ビジネス上の問題解決に直結するサポートを積極的に行っています」。
法的リスクを踏まえた経営判断には、執行の場面まで見据えた法的な仕組み全体の理解と会社経営を通じて養われるビジネス的感性双方が必要不可欠。特にグローバル展開での経営判断となれば、同じ目線で対話できる弁護士レベルのアドバイスは極めて貴重だ。自らも経営者として彼らの求めるものをよく理解し、弁護士としての立ち位置や考え方も汲んで両者の立場を「翻訳」することで、通常では埋もれてしまいがちな解決策を提示する。「クロスボーダー案件には、優秀なアレンジャーが特に重要です。リーズナブルで優秀な弁護士を選べるメリットも大きいですが、我々が得意とするのは、法的リスクを踏まえた最適な経営判断に導くアドバイスができる部分なのです」。法律の勘所を抑えてビジネスも理解することで、会社と弁護士の間の「ミスコミュニケーション」を解消し、しっかりとビジネスニーズを満たすソリューションを提供する。こうして数多くの会社を成功に導き、経営者に感謝されてきた。
一方、木村さんに頼ったアドバイス業務以外でも、クリーク&リバーでは、ITを利用しながら「プロフェッショナル」と「クロスボーダー」を掛け合わせた新しい試みもスタートさせている。その1つが医療のクロスボーダー・サービス、「Medpius(メピウス)」。在米邦人の帰国時に、英語の専門医療情報の翻訳や紹介状の作成、適切な医師への仲介を行う。特に長期の治療が必要な患者にとって、米国を離れて日本に戻る際、適切な医師へのスムーズな移行は極めて大切だ。こうした患者の不安を取り除き医療事故を未然に防ぐ。
「メピウスのポテンシャルな需要は非常に大きく、多くの引き合いが来ていますが、立ち上げたばかりのサービスですので、じっくりと育てていくつもりです。引き続き、好調なコンサルティング業務を支えるツールとして「ジュリステラ」を強化し、弁護士検索、比較、連絡を完璧に実行できるシステムを構築しています。これを基盤に、ITとプロフェッショナルとクロスボーダーを掛け合わせた事業の幅をもっと広げていきたい。色々な企業とパートナーを組みながら、便利なサービスを創り出していきたいですね」。木村さんの頭の中では、次々とビジネスのアイデアが芽生えているようだ。
CREEK & RIVER GLOBAL Inc.
President / COO、GENERAL COUNCIL、日本・NY州弁護士*
木村 剛史 さん
日米トップローファームで企業法務弁護士として10年、米国企業経営者として5年。東京大学法学部卒、バージニア大学ロースクール(LL.M.)卒、ハーバードビジネススクール(EE/HPLP)修了。西村あさひ法律事務所、東京証券取引所、金融庁、Debevoise & Plimpton LLP (NY)、CocoPPa, Inc. (CFO/CAO/GC)などを経て現職
*現在Inactive
ジュリステラ
www.juristerra.net
Medpius(メピウス)
www.medpius.com