年末に去年初めからプロジェクトマネージメントオフィスとして参画していた日系会社でERP導入プロジェクトが無事稼働した。今まで数あるアメリカ含め海外でのERP導入プロジェクトを経験してきたが、その中でも非常に成功したプロジェクトだったため、成功したキーポイントとは何だったのかを考察してみたい。
1) ワンチームでプロジェクトゴールを実現
一番大きな成功要因は、クライアントのユーザと導入コンサルティングメンバーがワンチームでプロジェクトを推進、スケジュール通りに稼働させるという共通のゴールに向かって作業を行ってきたことだと考えている。特に両方のプロジェクトメンバーが常にコミュニケーションしながら信頼関係を築き、課題の可視化や迅速な意思決定ができたことが大きい。
2) キーメンバーのリーダーシップ
なんと言っても各業務担当のキーユーザが通常業務があるにも関わらず、積極的に自らプロジェクトに参加し、自分のチームのエンドユーザメンバーをサポート、統率していたことも成功要因の1つだ。特に稼働前の一番重要なユーザ受入テストは、キーメンバーがテストに参加し、テストシナリオパターンの確認、テストの検証・承認、課題のフォローなど自分たちが稼働後利用するユーザとしての責任を持って実施していた。
3) 新業務は可能な限り、ソフトウェア標準業務に適用
また、導入プロジェクトを成功に導くためには、プロジェクト全体としてのスケジュール・コストの効率化が欠かせない。ソフトウェアの標準機能や標準プロセスの精度が向上したことに加え、アドオン開発を行わずソフトウェア標準業務に自社業務を適用して行ったことの効果が大きい。
我々コンサルタントはERPシステムを導入して現状の業務課題を解決し、ゴールを実現するためのご支援をさせて頂くが、あくまでもプロジェクトの成功のカギは、それを実施・利用するユーザだ。
藤本 光 Bluevision Inc. CEO & Consultant http://bluevisioninc.com/about-us/