昔からよく「予習」「復習」の大切さはいろいろな場面で説かれてきたのですが、最近は学習機器も発達し、勉強の仕方そのものが変わってきたせいか、以前ほどは聞かなくなりました。勉強の仕方は人によって違いますからどの勉強法が良いかは一概には言えませんが、私は以前から「復習」を重視するよう生徒に勧めて来ました。
授業で教わったことは正しく理解する必要がありますが、学力は教わったことを理解するだけでは身に付きません。教わったことを学力として定着させるためには何度も反復して学習する必要があります。数学の応用問題など結局は基本事項の絡み合いですが、基本事項がどう絡み合い、基本事項をどう使えば解けるかわかるようになるには優れた応用問題を反復して解く以外に方法はありません。国語の読解問題にしても同じことが言えます。難解な文章も、一読しただけで論旨を把握できなくとも時を置いて何度も読み返して行くうちに筆者が言わんとする主題や出題者が問題として取り上げている内容について正しく理解できるようになります。知識も時間をかけて熟成することが必要だということです。熟成された知識はその人の実力となって定着します。
よく中学受験算数の難しい問題を、お父さんやお母さんに教わったという話を生徒たちから聞きますが、そうしたお父さんやお母さんは必ずと言っていい程、ご自身も中学受験を経験され、難関校に合格されています。ご自身が勉強されてから20年以上経過してもなお、小学生の時に学習したことを覚えていらっしゃるということです。何度も反復し学習して身に付けた知識とはそういうものだと思います。子供の時に学習したことはその人の思考の根幹をなし、発想にも大きな影響を与えます。子供の時の勉強が将来どんな役に立つのかと考えることも大切ですが、先ずは教わったことを何度も反復して学習しましょう。その過程で、いろいろなことが見えてきます。時代が変わり勉強の仕方が変わっても、復習の大切さは変わらないと思います。