前回までは、ウェブサイト高速化の一側面である画像の最適化について取り上げてきました。ウェブサイトにおける画像の最適化は、適切な圧縮やフォーマットの変換などを行うことで画質を人目でわからないくらいのレベルまで落とし、表示の遅延を解消するという方法を取ります。それによりウェブサイト全体のユーザーエクスペリエンスが向上します。
今回は、ウェブサイトの表示最適化にもAⅠを活用する時代になったというお話です。
AⅠは今となっては聞かない日がないくらいトレンドなワードです。身近なところだとSiriやAmazon AlexaといったAⅠアシスタントや、ソフトバンクのPepperのようなロボット、自動運転車、Googleの検索順位決めなどがあります。また、現在存在するウェブサービスは多くがAⅠを活用し、ユーザーへの提案や興味関心のある情報の提供、クリエイティブの作成、分析などを行っています。ウェブサイト自体の表示最適化(表示の速度向上)に関してもAⅠの活用がされていく時代となってきています。
AⅠの話をする前に前提として、ウェブサイト自体の表示最適化について説明します。
ウェブサイトの表示最適化は大きく分けてサーバー側の最適化とフロント側(ブラウザへの表示方法)の最適化に分けることができます。サーバー側についてはアプリケーションに応じて効率的にアクセスを処理できるようにチューニングする必要があります。1から行うのはかなり大変で、そのための選択肢の一つとして、プライム・ストラテジーが提供しているのが高速なサーバー環境の『KUSANAGI』です。
一方のフロント側の最適化については、前回取り上げた画像最適化に加え、ウェブサイトで使用しているCSSやJavaScriptファイルの圧縮、複数回同じコードが読み込まれている部分の解消、読み込み順番の制御といった対策が必要です。
ここで、特にフロントの最適化で課題になるのは大きいサイトであればあるほど人の手で最適化を施していく手間がかかりすぎるということです。大量のデータを分類し、判断することがAⅠの得意な分野ですので、AⅠによってウェブサイトの問題をチェックし適切な対応を行うことができれば、人がやる必要がない部分の自動化が可能になります。
そこで、私たちプライム・ストラテジーが開発に取り組んでいるのがAⅠの『ONIMARU® DAVID』です。DAVIDは対象のウェブサイトのページすべてをチェックし、機械学習・クラスタリングなどの技術を用いて適切な最適化戦略を立案してくれます。その最適化戦略をウェブサイトに適用することにより人の手を煩わせずに最小の工数で煩雑なウェブサイトの表示最適化を実現することができます。従来必要であったコストの最適化もされるため業務効率化にも貢献できます。
前回述べた画像最適化を実現するWEXALですが、実はDAVIDはWEXALをコントロールするように作られています。このWEXALとDAVIDを利用することで直帰率の低下や回遊率の向上などにより最終的にはコンバージョン率の向上が見込めます。そのため、メディアサイトやブランドサイトを中心に徐々に導入が進んでいます。ウェブサイトの最適化という煩雑な作業はAⅠの活用で自動化し、ウェブサイト運営者はコンテンツの作成に専念することでより伝えたいメッセージを閲覧者に伝えることができるようになります。
AⅠをうまく活用し、業務の効率化を図りながらより良いコンテンツ作成やウェブ施策を行っていきましょう。
穂苅 智哉(Tomoya Hokari) プライム・ストラテジー株式会社 マーケティング部 連絡先:pr@prime-strategy.co.jp