A Blue Planet-works Company / AppGuard, Inc. ディレクター / テクニカル・アーキテクト 谷本 徹 さん www.appguard.us
「マルウェアと呼ばれるウィルスやワームが、1日にいくつ作られるかご存知ですか?100万個以上です。よく知られる一般的なセキュリティシステムを導入していても、その包囲網をくぐり抜けたマルウェアが、皆さんのコンピュータにもたくさん入り込み潜んでいるのです」。
昔ながらのパスワードを盗み、大企業のパソコンに侵入し企業情報を搾取し、ボットを仕込んで遠隔操作で攻撃する───どれもが金銭的要求や、組織の社会的信用を貶めるなどの悪意を持った攻撃となる。これらの攻撃に対して、脅威情報を更新して防御壁を固める方法が効果的と考えられているが、セキュリティ上の脆弱性が世間に公表される前に攻撃を受ける「ゼロデイ・アタック」の報告が増えるなど、これまでの手法を見直す動きが進んでいる。
AppGuardが提案する『OSプロテクト型』というコンセプトでは、そのファイルがマルウェアかどうかは気にしない。とにかくダウンロードし『OSを壊したり、不利益を与えるような動き』があれば発症前にストップをかける。新しい古いも関係なく、もちろんアップデートの必要もない。開発以来、AppGuard導入企業における発症事例は一件も報告されておらず、その効果
の高さに注目が集まっている。
元々は、米国政府機関向けにパソコン用エンドポイントのプロテクト技術として開発されたAppGuardだが、2017年4月にBlue Planet-worksが開発元の米系企業から買収を終えて日本で民間向けに提供し始めた。オラクルやシマンテックなど大手外資系IT企業のプリセールス・エンジニアとして研鑽を積んできた谷本さんは、同社の技術に強く興味を惹かれて転職し、昨年4月からニューヨークでの活動を開始している。
転職の際に谷本さんはAppGuard開発者との面談を申し入れた。エンジニアとして考え得る疑問をすべてぶつけた結果、その全てが十分に納得いくものであった。AppGuardで本当に脅威から守れるのか───谷本さん含め、社内のエンジニア全てが自信を持ってYESと答えると谷本さんは言う。「大小問わずどの企業もがターゲットとなり、グローバル企業であれば尚更です。事が起こってからでは遅い。世界の攻撃者が、セキュリティの綻びに目を光らせ、狙いを定めているのです」と谷本さんは警鐘を鳴らす。
*****
谷本さんの人生は、もともとITではなくテニスを中心に回っていた。幼少から始めたテニスでプロを目指し、日本の全国大会に毎回出場するほど。アメリカの大学に入学したのも、テニス部で活動することでスカラーシップを獲得できると聞き、実際に大学は選手として、大学院はテニスを教えながら卒業した。腰を痛めたことが影響してプロテニス界への道は絶たれたが、大学院で学んだコンピュータサイエンスを活かして、ITエンジニアの道へと進んだ。
テニスの夢は13歳の息子へと受け継がれ、一昨年、東京都の12歳以下でランキング1位となり、4月にニューヨークに来てからも、16歳以下の大会などで6度の優勝を果たしている。