デジタルフォーメーションは「企業がテクノロジーを利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」(ウィキペディアより)という意味であるが、ITだけを利用しても一筋縄では行かず、大きな目標に向けた準備期間を設けて徐々に実現していくことが必要だ。企業のデジタルトランスフォーメーションを実現するためには3つのステップがあると考えている。
まずはデータプラットフォームの構築
これはERP (SAPやOracleなど)の基幹システムを構築し、正規化されたデータを効率的にインプット、アウトプットできるようにすることは企業内のデータの見える化を行う上で重要な作業となる。恐らく日本本社と同様のERPシステムを北米子会社でも導入する企業が多いが、本社と北米の両社の切り口で管理できるデータプラットフォームを構築し、業務の効率化や標準化しておくことが最も重要だ。
次にデータプラットフォームの統合
既存の製造システムや営業支援、人事管理システムなどを北米子会社独自で導入している企業があると思うが、ERPなどのデータプラットフォームと統合し、企業内のデータが統合されたプラットフォームを構築する必要がある。特に本社や関係会社との社内取引を効率的に行うための仕組みや経営管理システムなどと統合し、共通の指標で見える仕組みを構築する。
最後にデジタルトランスフォーメーションの実現
ここ迄のフェーズでそれぞれ1~2年程度の準備期間が掛かると思うが、それと並行し、統合されたデータプラットフォームから入手したデータをどう活用し、新しいビジネスモデルの構築を検討するか。また大きな実現の目的を明確にし、売上向上にフォーカスするのか、業務効率を追求し、健全な経営を追求するのかは経営判断が必要だ。
今後は、北米でのデジタルトランスフォーメーションを行う上で、日本本社とコミュニケーションしながら、地域での最適化を行うことは不可欠になるだろう。また同時にITによる変革だけではなく、デジタルトランスフォーメーションに伴う会社組織の改革も必須になる。
藤本 光 Bluevision Inc. CEO & Consultant http://bluevisioninc.com/about-us/