KDDIアメリカでは、「デジタルトランスフォーメーション」をキーワードとしたセミナーをニューヨークの日本クラブで開催した。
IoTを取り巻く環境は急速に変化している。すべてのモノと人が繋がり、様々な知識や情報が共有され、新たな価値が生み出される。そして、これまでの課題や困難を克服する『超スマート社会』が実現される。こうした環境下、KDDIグループは「KDDI IoT世界基盤」というコンセプトを打ち出し、各企業がグローバルDX実現に向けた課題解決サポートに注力する。
2030年のIoT市場予測は、日本で約20兆円、世界的に見れば400兆円市場と試算され、多くの企業がこの魅力的なマーケットで優位を獲得するために奮闘する。特に、製造、公共、流通、物流を中心に導入が進んでおり、様々な形で新しい価値が生み出されている。
IoTは、「デジタルトランスフォーメーション」の鍵となる重要な役割を持つ。データを可視化することで、情報を集め、そのデータを分析・把握し、プロセスの改善や新たな価値体験の創出によるビジネスチャンスを作り出す。導入企業の約6割がその成果を感じていると言われているIoTだが、経営層と担当者のDX理解度に対する温度差、新しい要素を包括的にマネージできる人材の不足、海外展開する際の各国でのレギュレーションなど、その導入障壁は大きい。
約20年のIoTの歴史を持つKDDIでは、これまで蓄積してきた豊富な経験を活かし、「KDDI IoT世界基盤」のコンセプトのもと、グローバル展開する企業のデジタルトランスフォーメーションや
IoTの取り組みをサポートしていく。「コネクティビティサービス」「データサービス」「プロフェッショナルサービス」の3つを柱とした「グローバル IoTパッケージ」を3月に市場投入し、これまでデバイス、通信、クラウドと個別に設計が必要であったものをワンストップで提供していく。
「これから求められるのは『モノ』ではなく『コト』。そこをどう捉えるか───『デザインシンキング』というアプローチが今後、重要なカギになる」と同社の由井貴久さんは説明する。「作れば売れた時代は終わりました。今は、その物を使って何がしたいのか、ゴールから逆算しながら商品を生み出していかなければなりません。スピーディに、クイックに、スモールに。補正をしながらゴールに向かう。こうした考え方で新たな価値を作るお手伝いをしたいと思っています」。