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企業の定量性を重視したベンチャーキャピタルのコロナ処世術

従来の定性的アプローチと一線を画す
企業の定量性を重視したベンチャーキャピタルのコロナ処世術

Stout Street Capital Clay Gordon
Stout Street Capital
Managing Partner クレイ・ゴードンさん           https://stoutstreetcapital.com/

 コロナウイルスのパンデミックはベンチャーキャピタル市場にも影響を与えている。

 デンバーを拠点とするベンチャーキャピタル企業である同社では、既存の投資を支援できるよう新規の投資を保留していると、同社のマネージングパートナーであるクレイ・ゴードン氏は言う。

 ゴードン氏は、デンバーのオフィスで創設パートナーのジョンAフランシス氏と面会した。彼らのスキルセットがベンチャーキャピタルファンド運営において補完し合えると確信し、2016年に同社を共同設立。コロラドの投資会社の多くが定性的なアプローチを行うのに対し、これまで投資業界で定量性を重視してきたバックグラウンドをもつフランシス氏の経験を用い、同社では定量的な投資を行う。共同創設者たちは,当初30社ほどの投資先になることを念頭に、彼らの市場への独自アプローチが、投資家から資本を調達するのに役立つと考えた。定性的アプローチは起業家自身の質に投資するもので「定量的アプローチは従来の定性的アプローチとは一線を画します。今まで投資家はカスタマートラクション(顧客牽引性)よりも起業家に投資してきたのに対し、我々はカスタマートラクションを重視し、収益の観点から投資先の顧客フィードバックを見て、収益が評価にどのように基づいているかを知りたいのです」とゴードン氏は述べた。同社は、資本が不足している米国中央部に主に焦点を当てており、設立以来、アーリーステージのテック企業50社に投資してきた。

 コロナウイルスの現状により、ゴードン氏は投資についてこれまでより遥かに守備的であると語った。同社では既存の企業に資金が確実に行き渡るように、新規投資の受け入れを一時停止することを決めた。また、コロナ以前に比べ顧客が購入に転じている企業へ重点的に資金繰りしている。 「すべての企業がこれを乗り越え、成功できるようにしたい」とゴードン氏。コロナウイルスのパンデミックは米国内の多くの企業に影響を及ぼしたが、同社が投資した50社のうちいくつかの企業はここから利益を得ている。「これは(業績が良い企業、悪い企業の)詰め合わせですね」とゴードン氏は言い「本当に業界によります」。例えば、遠隔医療の会社などヘルスケアセクター数社はかなりうまくいっている一方で、テクノロジーでひとをお宅に斡旋するようなヘルパー事業といったサービスベースの企業などは痛手を負っている。

 同社はまた、米国の中央エリアに位置する企業に投資するベンチャーキャピタルを誘致し投資を促すために、5月に第二回目となるUNMETカンファレンスを主催する。当初はアリゾナで開催予定だったが、ベンチャー活動があまり行われていないこの時にあっても、起業家が資金を調達できるプラットフォームとして、イベントをバーチャルカンファレンスにシフトすることに決めた。

 最後にゴードン氏は、今後投資契約の評価に悪影響になるとしても、起業家は顧客を維持することに集中すべきであると助言する。さらに、今は新たに社員を雇うのに最適な時期ではなく、また予算を低く抑えられるようにするように、とも言及した。  

《企業概況ニュース》2020年 5月号掲載

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