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コロナショックで混乱するより行動することから──事前準備が大切

Celeri Network
CEO ジャスティン・チェン さん           https://celerinetwork.com/

 コロナウィルスのパンデミックにより、多くの企業がリモートワークに移行している。また、多くの小規模企業はウイルスの蔓延を遅らせるために事業を保留せざるを得ず、前例のない課題に直面している。すぐに改善する兆候のないこの不確実な状況により、いま中小企業向けローンの需要が急増している。このような状況下、ビジネスオーナーと信頼できるパートナーを結びつけ、融資を促進する中小企業向けローンブローカーであるCeleri Networkのような金融会社が多くの中小企業の注目を集めている。Celeri Network の23歳のCEО、ジャスティン・チェン氏は、自身がビジネスローンを申請した時の悪い経験に触発され、彼のような中小企業の経営者を支援することを目指して「最も条件の良いローンのオファーの提供」を行う会社を設立した。

 SBA(Small Business Administration)がPaycheck Protection Program(PPP)を発表して以来、ニューヨークに本拠を置く金融会社は、SBAによって承認された銀行パートナーと協力して、必須、非必須ビジネスの両方が資金を調達できるように支援してきた。Celeri Networkでも、同社を介して中小企業に資金調達の申請を迅速に行うことをサポートしてきたが、運送会社やレストランが大多数を占める同社の既存のクライアントは、通常のローン貸付の基準である必須ビジネスとしての資格がなかったために融資を受けることが特別に難しく、申請の申し込みを何度も断るという苦渋の決定をしなければならなかった。よって金融業界はこのパンデミックによる需要の波から利益を得ているという多くの人の推測にもかかわらず、同社については3月は大幅減益であったとチェン氏は言う。

 この若き起業家は、政府が経済的救済を提供していても、常にこうした予期せぬ事態に備えるようにとアドバイスする。 例えば、同氏はこのウイルスについて最初に聞いたときからパンデミックに備えて、人材の募集(このような状況下では普段よりも低い競争率で短期間で才能のある人材を雇えるため)、資金調達、クレジットカードの追加申請などの準備をしてきた。「中国語では、“危機”は“危険”と“機会”という2つの言葉で構成されています。ビジネスオーナーと運営者がそれを心に留めておけば、危機の後に彼らのビジネスはより強くなるでしょう」。

 「また、このような不確実な状況では、積極的に貸し手とコミュニケーションをとることが特に重要です。この国のほとんどすべての貸し手は借り手に協力してくれると思うので、あなたが持っているローンやクレジットカードの会社と正直に話し合う必要があります。例えば、アメリカン・エキスプレスは現在、借り手に延滞手数料と利息手数料を請求していません。 あなたが今電話をして、ウイルスの影響で請求書の支払いができないことを正直に言っても彼らはあなたのカードをキャンセルしないでしょう。カードをキャンセルするのは、あなたが銀行との関係を損なような決断をし、支払いをせずにEメールをボイコットする(連絡を怠る)などの場合に限られます」。

 チェン氏は必要なときに融資を受けることに加えて、銀行に緊急資金として少なくとも3〜4カ月分の給与を常に蓄えるよう事業者に提案してる。例えば、Celeri Networkでは、銀行に6カ月分の給与を蓄えており「これなら明日倒産しないことが確実にわかっているので、夜も安心して眠ることができる、安全な方法」と言う。 「しかし、あなたが仕事に戻ったとき、この危機を生き残るためにできるだけ早くあなたのビジネスを回転させる必要があります」。また、お金を借りる必要がなくても、融資関係を構築して金融機関との信用枠を取得することをチェン氏は提案している。

※Celeri NetworkおよびJustin Cheng氏は、American Express社や他の金融機関の公認を受けていません。 同氏は公認財務プランナーではありません。財務上の決定を行う際は、独自の調査を行ってください。

《企業概況ニュース》2020年 5月号掲載

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