Home > Featured > お米の表現方法を探求し続ける蔵元「八戸酒造」
八戸酒造
専務 駒井 秀介 さん           https://mutsu8000.com

 1775年の創業から245年間、青森県八戸市湊町にて酒造りを続けてきた八戸酒造。この歴史ある酒蔵が醸すのは「陸奥八仙」と「陸奥男山」の2ブランド。創業ブランドの陸奥男山はすっきり辛口、常温または燗で楽しむ、古くから地元の漁師たちに愛されてきた酒。約20年前から米国でも超辛純米酒が販売されている。対して1998年発売の陸奥八仙は芳醇でお米の味を楽しむ旨口タイプ。定番酒、季節限定酒のほか、プレミアム、ワイン酵母やビール酵母を使った新ジャンルと25種を揃える。米国ではニューヨークを中心に5種を販売。県産の米と酵母を用い、仕込み水には里山の自然と原風景の残る八戸・蟹沢の名水を使用。地元に根付いた酒造りにこだわる。地元の方言で蟹を「がに」、沢を「じゃ」と呼ぶことから「がんじゃ」と親しまれる蟹沢地区の自然を後世に残したいという想いから、会員300名と共に田んぼの再生や自然米での酒造りを通じて環境保全への取り組みも行っている。

 とにかくきれいで透明感のある酒を造りたい――味と衛生面での〝きれい〟を追求し、麹造りには手袋を着用、蔵の清掃を徹底するなど、ウィズコロナの時代にも合った酒造りを行う。

 今はまだ海外での売上は全体の数%だが、世界14か国で販売するうち米国は半分を占める。米国での販売強化に向け「英語の動画やSNSを活用してブランドストーリーを広く発信し、アンバサダーによる生の声で当蔵の日本酒の魅力を伝えていきたい」と駒井さんは熱い想いを語った。

《企業概況ニュース》2020年 12月号掲載