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国際投資課のデイビッドさんに聞く

外国企業にとってのPA州の魅力

 地理的な利便性とビジネスに優しい環境のため、ペンシルベニアは米国でビジネスを行うのに最適な場所です。ブルームバーグ誌で米国50州の中で経済的に最も多様性のある州として選ばれました。我々の経済の多様性と安定性は、これまで日本企業407社をペンシルベニア州に引き付け、2万1000人以上の雇用を創出しています。

 最近の外国企業の事例としては英国最大手のカスタム・キッチン・キャビネットのデザイン、製造、販売企業Wren Kitchensが州の北東部に北米本社兼製造拠点を設立しました。同社のマニュファクチャリング&ロジスティクスディレクターは「アメリカは世界最大のホームインプルーブメント市場。ペンシルベニア北東部は卓越した地元の人材が豊富であり、アメリカ市場の大部分に短時間でリーチできる」と話し、低い生活コストに、アメリカ、カナダ市場へのアクセスの良さ、さらに木工材料の巨大サプライチェーンがペンシルベニア州にあることが決め手でした。

日本企業が注目すべき産業

 ペンシルベニア州の世界クラスの大学と強固な産業基盤を考えると、テクノロジー開発が非常に強力です。ライフサイエンスから人工知能、ロボット工学、自動運転車両、高度な製造など、我々の州のテクノロジー産業は、地域経済開発パートナー、ベンチャーキャピタルへのアクセス、研究者間で構成されるイノベーションエコシステムによって支えられています。学術機関と企業のコラボレーションにより、2020年Cyberstates調べではテック系の雇用数において国内第6位です。

西のピッツバーグ
テクノロジー産業

 カーネギーメロン大学とピッツバーグ大学に牽引され、ピッツバーグ市はテクノロジー分野の主要プレーヤーとして浮上しました。グーグル、アップル、マイクロソフト、フェイスブック、ウーバーなどの有名企業は、ピッツバーグでかなりの事業を展開しています。同地には、起業家精神をさらに高めるスタートアップ支援組織も多数存在します。InnovatePGH、Innovation Works、AlphaLab Health、LifeX Labs、Pittsburgh Life Sciences Greenhouseは、次世代のテックリーダーを後押しするインキュベーターの一部です。

東のフィラデルフィア
ヘルスケア産業

 ペンシルベニアは強力なヘルスケア産業でも知られています。州最大の都市フィラデルフィアは、大学の集積地で、起業家やイノベーター向けのリソースがあり、ニューヨーク市やワシントンDCの大都市圏に簡単にアクセスでき、またこれらの主要都市と比較してコスト競争力のあるビジネス環境を誇っています。フィラデルフィア地域は、世界的な製薬会社の80%以上が拠点を設け、100以上の病院、7つの医科大学、22の看護学校、国立衛生研究所の資金提供で3位、米国で5番目に大きいR&Dハブを擁しています。このライフサイエンスコミュニティは非常に革新的で、細胞・遺伝子治療分野で一番最初の本拠地であり、この急成長分野においてFDA承認数、国立衛生研究所からの助成金承認数において全米1位です。

新政権になって

 新バイデン政権の政策がビジネスに与える影響についてコメントするのは時期尚早ですが、COVID19パンデミックの経済的影響からの力強い回復を期待しています。州各地で成長している多彩な産業を考えると、ペンシルベニア州の経済の多様性は、他州よりも優位性があると言えるでしょう。

ペンシルベニア州 国際ビジネス開発局OIBDの役割

ペンシルベニア州Department of Community and Economic Development (DCED)の国際部門である国際ビジネス開発局(OIBD)は、州内の企業と共に海外輸出売上高を促進し、外国企業の投資を誘致する大規模で国際的なネットワークを持つ、全国的にも貿易と投資促進のリーダー的存在である。

Export(輸出)Program

関税と通関手続き、市場調査、顧客開発、グローバルなビジネスミッションの調整に関して、国内の専門知識を活用することにより、企業に貴重な海外知識を提供する。

Foreign Direct Investment(外国直接投資)Program

潜在的な外国投資家と連邦政府、州政府、地方政府との連携を担う。ビジネスサイトの特定から視察、労働力、インフラストラクチャ、税金などに関する詳細な調査、魅力的な金銭的インセンティブ、人的コネクションなど、国際企業が北米市場でシェアを獲得しながらペンシルベニアで事業運営、拡大できるようなサポートをする。

外国企業がPA州を選択する理由

  市場、顧客への近接性

  熟練した労働力

  州内市場の成長の可能性

  政府の支援

  インフラと物流

 

デイビッド・ブリエ(David Briel)

Executive Director, International Investment Office of
International Business Development,
Pennsylvania Department of Community and Economic Development
E-mail : dbrie@pa.gov / Tel : 717-720-7373

 デイビッド・ブリエルさんは日本に在住歴がある親日家。日本の文部省が後援する日本交流教育(JET)プログラムの一環で、岐阜市内の学校で英語を教え、その4年間で日本語と漢字を学び、日本語能力試験上級資格を取得している。ITOCHUやワシントンDCの日本大使館など日本関連組織で長年働いた経験もある。コロナの影響で一時閉鎖していたペンシルベニア州地域振興・経済開発局、日本投資事務所が3月1日から再開され、日本からの問い合わせも便利になる。「ペンシルベニアで成長と拡大を目指す日本のビジネスコミュニティと協力することを楽しみにしています。我々の州は、強固な物流インフラと東京への直行便がある空港もあり、非常にコスト競争力のあるビジネス環境を提供します」。

 

《企業概況ニュース》2021年 03月号掲載