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230年の歴史、「更科堀井」がニューヨークに OPEN!

 江戸そばの御三家「更科」「砂場」「藪」の一つ、更科そばの老舗「総本家 更科堀井」が、ニューヨーク・グラマシーパークに7月20日登場した。

写真上から反時計回りに:海老天種、鴨ロースト、玉子焼、落ち着いたモダンで和テイストな店内

 寛政元年(1789年)、11代将軍徳川家斉の頃に麻布永坂高稲荷下で創業されて以来230年。その〝高級感あふれる白さ〟が特徴的で、これに濃いめで甘みのあるつゆを合わせて楽しむ。いわゆる、そばらしい香りは少ないが、ほのかな甘味が感じられて喉越しもよく、多くのそば通に愛され続けてきた。

 現地のアメリカ人約30名を招待して意見を聞くなど準備を進めていたが、コロナの影響を受け延期となり、じっとオープンの機会を伺ってきた。2021年に入り、4月以降ワクチン接種率が高まっていくにつれて徐々に街にも人が戻り始め、今回のオープンへと踏み切った。

 店内の内装は、間接光をふんだんに利用した、控え目かつモダンな和をイメージする。カウンター8席にテーブル席68席の合計76席が用意されているが、しばらくの間はソーシャルディスタンスを守るために店内8割営業を守り、代わりに店先のアウトドアダイニングを20席用意した。メニューは基本的に日本の更科堀井と同じで、更科そばの他に、十割そば、二八そばを用意する。体制が整い次第、紫蘇、柚子、胡麻を練り込んだ3種の変わり蕎麦なども提供していく。日本とは水も空気も異なる環境下で更科堀井の味を再現することはたやすくなく、そば粉と水の配分を何度も変えるなど、相当な時間と工夫を重ねてやっと満足いくものができ上がったと総料理長の堀さんは言う。

Create Restaurants New York Inc.
社長 川口 清司 さん(右)
総料理長 堀 剛 さん(左)

 しかし、和食が人気のニューヨークでさえ〝蕎麦〟の知名度はまだまだ低い。バックウィートが食べられるものだということすら知らない人も多い。こうした中で、テイスティングでそばの食感に触れた人々は、総じて良い反応を示してくれたという。更科堀井ニューヨーク店を任される川口さんは、「特に、そばの芯の上質な部分だけを使っていることを説明し、〝ひそやかなそばの主張を愛でるのが、日本人の感情だ〟という背景を伝えると、日本酒の吟醸酒と比較しながら味わって頂けました。適当なそばを、安いから食べて欲しいというつもりはありません。良い蕎麦は、日本でもきちんとした対価を払って食べるものだということを伝えながら、しっかりとした日本のそば文化をこちらにも定着させたいですね。しばらくはソフト・オープニングですが、年内にはフルラインナップに持っていき、来年からの本格的な操業に向けて体制を整えていきます」と今後の展開について話す。

Sarashina Horii New Yrok
更科堀井 ニューヨーク店

45 E 20th St., New York, NY 10003
Phone : (212) 674-6714
https://www.sarashinahorii.com/

《企業概況ニュース7月号 vol.269掲載》