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《ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ》

連載① 駐在員が苦しむ「結果が出にくい構造」
《ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ》

《連載》会社を変える!
明日から使えるファシリテーション術

第一回 駐在員が苦しむ「結果が出にくい構造」

 

 私たちはコンサルタントという職業柄、駐在員の皆さんの悩みをよく聞きます。日々残業してがんばっているのに結果が出ない、自転車を一生懸命漕げどチェーンが空回りして進まない感覚、皆さんも心当たりありませんか? 

・こちらの事情を考慮せずに本社から五月雨式に指示が飛んでくる
・現地社員は与えられた仕事しかやらないし、仕事を振りにくい
・ルーチンじゃない仕事は結局自分が手を動かしている

 個人の能力の問題ではないですし、文化の違いや言語の壁だけでは言い表せない、「結果が出にくい構造」に皆さん苦しんでいます。

 では、この「結果が出にくい構造」はどういったものなのでしょうか? 私たちは4つの要素があると考えます。

① 規模感・視点の違い

 北米支社を持つ企業は基本的に大企業です。本社はグローバルで全体最適を考えますし、駐在員には大企業ならではの行動様式が求められます。一方、殆どの北米支社は中小企業程度の規模しかありません。現地社員も中規模企業のマインドで動くため、日本からの指示がすんなり受け入れられません。

② サイロ化された組織

 特に米国では自分のボスの求める業務以外はやらなくてよい、という考えが根強くあります。また、レイオフを恐れる社員は自らの業務を抱え込みがちです。このため、拠点間・組織間での業務が標準化・効率化されていないことが多いです。縦割りで非効率な業務と改善しにくい体質があるのです。

③ 駐在員の入れ替わり

 始めた施策をやり切る前にいなくなる駐在員を長年見ていると、現地社員が懐疑心を抱くのも無理はありません。そういった企業には社歴30年の「実質社長」がいて、現地社員は皆この方の背中を見て仕事をしていることがよくあります。こうなるとなかなか駐在員の方が入り込む余地がありません。

④ 権限はないけど責任はある

 大きなミッションを与えられて赴任し、立派な肩書きはあるけど直属の部下がいない。組織図上、駐在員は「斜めの上」となることがよくあります。日本から与えられた高い期待値とは裏腹に実際に手にした権限は弱く、ギャップに苦しまれている方が多くいます。

 ではどういった打ち手があるのでしょうか?「組織体系をガラッと…」「大きなシステム投資を…」「そもそもカルチャーを…」と大それたことを考えがちですが「結果が出にくい構造」を根本から打破するのは難易度が高く、時間もコストもかかります。抜本的な構造改革に臨む前に、日々の改善で変革体質を作っていく必要があります。まずはご自身が変わり、所属部署を変え、ゆくゆくは会社を変える、ステップを踏むべきではないでしょうか。

 取り組みの大小に関わらず、変革を成功に導くにはファシリテーション力が必須です。ファシリテーションとは「実現可能なゴールを決め、逆算でプロセスを設計し、プロジェクトを推進する技術」です。最初は必死に漕ぐことでゆっくりと走り出す自転車も、徐々に加速していくとかける労力以上の結果が出ます。この連載ではコンサルタントが日々実践しているファシリテーションの技法を公開し、現場から会社を変えていくヒントをお伝えします。来月から結果につながる具体的なアクションを紹介していきますので是非お付き合いください。

 

《執筆》
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ
加藤 良太 さん

2001年ケンブリッジ・ジャパン入社。コンサルタントとして大手商社予算管理システム刷新など大型プロジェクトに従事。大学院卒業後はニューヨークで楽天マーケティングの経営戦略、M&A、シリコンバレーで楽天USAのVP of Business Developmentとしてデータビジネスの立ち上げを担当。2019年ケンブリッジ北米展開をリードするため出戻り。在米歴29年。ニューヨーク大学経営学修士(MBA)。

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズは在米日系企業の業務改革、IT戦略立案、DXに必要なコンサルティングサービスを提供しています。あらゆる変革の立ち上げから導入までを円滑に進める方法論とバイリンガルファシリテーションを武器にプロジェクトを成功に導きます。日本では6年連続「働きがいのある会社」TOP10に選出されています。

http://www.ctp.com

《企業概況ニュース》2021年12月号掲載

 

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