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《ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ》

連載③ 終わり方を決めないと始められない
《ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ》

 今回は前回に引き続き、「会議」にすぐ効くノウハウをお伝えします。

 会議は「物事を決める」ためのもの。「何十億円の投資」から「来週の宴会の場所」まで、決めるべき中身は様々です。しかし、中身が重かろうが軽かろうが、議論を始める前に「これを決めたら終わりにしよう」とゴールを設定することが大切です。ゴールがあると、参加者は「この場は何のためにあるのか」「どういう発言を期待されているのか」がわかり、会議はより円滑に進みます。今回は「会議の終わり方を決めるコツ」についてお伝えします。

1 「〜について」では決まらない

 「来期マーケティング予算について」(Discuss next year’s marketing budget)という会議はありがちですが、予算の何に意見を言えばよいのかわかりません。相手の意見を的確に引き出すためには、ファシリテーターが「今回の議論を通じて何を決めたいのか」を会議の最初に具体的に示すことが重要なのです。

 ケンブリッジでは、会議を始める際に必ず「終了条件」を参加者に提示します。「終了条件」とは、参加者がどういう状態になったら会議をスッキリ終えられるか、ということです。例えば「来期の主要マーケティング施策の優先順位に合意した状態」、これなら「ウェブ広告よりイベント参加にコストをかけるべき。なぜなら…」という意見表明が求められるイメージがつきます。終了条件は、それを参加者がパッとイメージし、それについて議論できそう、と思える表現で示しましょう。

 2 終了条件の立て方によって参加者の発言が変わる

 以下の3つの終了条件を見比べてください。

①とにかく参加者が考える課題が全部出切った状態。大小は問わない。
②部署内で解決すべきと考える課題が全部出切った状態。
③部署内で解決すべきと考える課題が出切り、さらにその中から最重要なもの3つが選ばれた状態。

  どの終了条件でも会議が成立しそうです。一方で、どの終了条件を設定するかによって、参加者の発言の中身は変わりそうだと思いませんか?

 では、どのように終了条件を設定するべきなのでしょうか。それは、その会議を終えた後、参加者に何をしてほしいのか、次の会議は何から始めるべきなのか、に依存します。例えば、複数部署と個別に会議をして課題を集め、最後に全員で取り組むべき重要課題を選ぶ、という進め方であれば、各部署との会議は「とにかく参加者が考える課題が全部出切った状態」を目指せばよいのです。 

 終了条件がふんわりしていると、参加者は何をどのくらい議論すればよいのか分からなくなるため、議論は迷走します。皆さんの会社でも自身の言いたいことだけ言って会議の時間を無駄にする常習犯はいませんか?冒頭で「この会議ではこれを決めて、次の会議はこれを決めます。最終的にはこういう状態にみんなでなりたいです」と宣言すれば、参加者もひとつひとつの会議の方向性にあった意見を述べてくれます。そして、終了条件とは関係のない「脱線」や次回以降議論すべき「フライング」を抑制することができるのです。

 良質な会議には、誰もが「そうだよね」と納得できる終了条件があります。決して、終了条件を決めないまま・曖昧なまま、会議を始めないようにしてください。

 

http://www.ctp.com

《執筆》
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ
加藤 良太 さん

2001年ケンブリッジ・ジャパン入社。コンサルタントとして大手商社予算管理システム刷新など大型プロジェクトに従事。大学院卒業後はニューヨークで楽天マーケティングの経営戦略、M&A、シリコンバレーで楽天USAのVP of Business Developmentとしてデータビジネスの立ち上げを担当。2019年ケンブリッジ北米展開をリードするため出戻り。在米歴29年。ニューヨーク大学経営学修士(MBA)。

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズは在米日系企業の業務改革、IT戦略立案、DXに必要なコンサルティングサービスを提供しています。あらゆる変革の立ち上げから導入までを円滑に進める方法論とバイリンガルファシリテーションを武器にプロジェクトを成功に導きます。日本では6年連続「働きがいのある会社」TOP10に選出されています。

《企業概況ニュース》2022年2月号掲載

 

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