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最先端医療の本丸、米国へ
《PARAMOUNT BED USA Corporation》

アジアンジャイアントからの次の一手
最先端医療の本丸、米国へ
《PARAMOUNT BED USA Corporation》

PARAMOUNT BED USA Corporation

アジアンジャイアントからの次の一手
最先端医療の本丸、米国へ

高橋 和也 さん
President & CEO

 パラマウントベッドグループは1947年に創業。病院用ベッドメーカーとしてスタートし、高齢化社会の進展を背景に高齢者施設や在宅介護分野に事業領域を拡大してきた。現在はホールディングス会社として、メーカー、メンテナンス、レンタル卸、海外統括の4つのグループ会社から成り立つ。同社のベッドは日本の医療領域でおよそ70%のシェアを誇り、インドネシアやタイでも高いシェアを獲得しており、アジアにおける同社の成長戦略は堅調である。「医療用ベッドは社会インフラとして病院が建設されるタイミングがシェア獲得の大きなチャンス。これまでは新興国に的を絞り、大きな需要を見込める国には現地に生産拠点も作ってシェア拡大を図ってきました」と話すのは、パラマウントベッドUSA社長の高橋さん。2019年10月にロサンゼルス郊外のオレンジ郡アリソビエホに同社初の米国拠点を構えた。「アジアでのプレゼンスがある程度確保できてきたので、5年程前から最先端医療の本丸アメリカにもチャレンジしようと計画してきました」。

 同社ではこれからの5年は医療業界、地域としてはカリフォルニアとテキサスに集中してシェアの獲得を目指している。「当面は輸入販売の形態をとるため、輸入面で有利かつ価値があれば新たなブランドにも寛容なカリファルニア、そしてコロナ禍でも比較的病院にアクセスしやすく、病院数の多いテキサスとしました」。米国市場に投入するのは、同社の数ある電動ベッドの中でも患者の体重が計測できる高度医療用のベッドとなる。米国の急性期病床数は約92万床、日本では約89万床であり、平均在院日数は米国で5日前後、日本では16日ほどという。「米国の病院では早く回復を促す必要があるため、ベッドにも治療やリハビリの要素が求められます。患者を早い段階で動けるようにすること(Early Mobilization)、患者の転倒事故や褥瘡を防ぐこと(Fall Prevention・Pressure Reduction)、そして感染対策(Infection Control)が非常に重要と言われています。当社は、このような課題解決に貢献することのできる製品を提案していきます」。

 2000年にパラマウントベッドに入社した高橋さんは、札幌で7年営業に携わった後、本社のマーケティング部門に異動。その際に米国の医療用ベッドメーカー、ヒルロムとの事業提携により日本での販売戦略を立案し、米国の最先端医療用ベッドを日本のICUに販売してきた経歴をもつ。その後パラマウントベッドホールディングスの企画部門を経て、高橋さん自ら米国進出プランを立て、米国拠点設立に至った。「独自の切り口で顧客の課題を解決し、最先端と言われる米国医療に貢献していきたいです。そして日系企業に限らず、色々な企業とコラボレーションすることで、顧客に幅広い価値を提供できる会社に育てていきたいという想いです」。営業と経営戦略で培ったマーケティング力を強みに、高橋さんの挑戦は始まったばかりである。

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《企業概況ニュース》2022年 2月号掲載