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心の通った診察がしたい
《NIHON CLINIC SAN DIEGO》

こんな時代だからこそ
心の通った診察がしたい
《NIHON CLINIC SAN DIEGO》

こんな時代だからこそ心の通った診察がしたい

NIHON CLINIC SAN DIEGO
金 一東 院長
https://nihonclinicsandiego.com

 新生児から90代の高齢者まで幅広い患者さんを持ちアットホームな雰囲気の中、院長を務める金先生は自身のことをかなり異色な医師だと言う。運転手、職業訓練学校を経て、26歳で岡山大学医学部に入学し、横須賀米海軍病院での研修後に夢であった米国での臨床研修を目指し渡米。今年1月には日本クリニック・サンディエゴの実質オーナー兼院長になった。専門の内科・小児科はもとより、外科、婦人科など全科プライマリケアを行うため、患者は科別の医療機関へ行かなくて済む。一般的に3分診療と言われている米国において、時間をかけ、丁寧に診療することに定評がある。

 日米両国での医師経験がある金先生は、米国医療の強みは、効率的、合理的に行われる臨床研修を出発点にした医療だという。「絶えず考えて診療を行うことが要求され、プライマリケア医と専門医が協力し合うという側面は無駄がないですよね。けれどアメリカの医療システムの問題点は保険です。いい健康保険を持てる人はよりよい医療が受けられ、そうでない人はそれなりの医療になってしまうという構造的な問題があります。極端な言い方をすればお金持ちのための医療になりがちなんです」と警鐘を鳴らす。

 コロナ禍をきっかけに注目されている遠隔診断。賛否両論あるが、金先生はこの診断方法には少し懐疑的だ。「慢性の疾患を除き、急性の疾患を診断・治療するのは、遠隔では難しいのではないでしょうか。診断を下すにあたって、診察は非常に重要なパートであり、それを省くのは誤診の原因になると考えます。実際に別のクリニックで遠隔診断を受けた結果、誤診が判明し当院に来られる方もおり、対面での診察がいかに重要であるかと気付かされます」。

 パンデミックにより経営が悪化し、クリニックの閉鎖まで考えた時期があった。しかし患者さんや公的資金援助のお蔭でなんとか持ちこたえ、感染対策の重要性の再認識や、今後のクリニックの在り方について考えるいいきっかけになった。日本式の医療サービスと金先生の気さくな人柄で、サンディエゴに住む日本人の心の拠り所へとなりつつある。

 

 

 

 

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《企業概況ニュース》2022年 2月号掲載

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