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知っておくべき「税金」について
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尾崎会計事務所
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COVID-19をきっかけに、この三年間で日本に完全帰国された方が増えた印象です。ずっと日本に帰ろうか悩んでいて、パンデミックをきっかけに決断したという人も多いのではないでしょうか。また、駐在任期を終えて帰国される方もいらっしゃるかと思います。他にも完全帰国には、色々なケースが考えられます。

その一例としては

—長年アメリカに住んでいたが、老後は日本で過ごそうと考えている

—国際結婚をしてアメリカに住んでいたが、離婚したので日本に戻りたい

—高齢の両親の介護が必要になり、日本に戻らなくてはいけない

などがあります。

身の回りのものを整理して、移民局に届け出を出して、これから日本への完全帰国を考えている人は、ちょっと注意が必要です。

アメリカ政府に永住権や市民権をただ返還すればいいというわけではないんです。もしかしたら、日本に帰る前に税金がかかるかもしれませ ん。自分が課税対象かどうか確認が必要です。その税金とは「Expatriaon Tax(出国税)」と呼ばれるものです。

《出国税の課税対象者》

以下の2パターンのいずれかに該当する場合、出国税を納め る必要があります。

(1) 過去5年の平均課税額が一定の金額以上(2022年は17万8000ドル以上)の場合

(2) 全世界で所有してる財産の価値が2ミリオンドル以上ある場合

また、過去5年の所得税申告書は必ず提出しておく必要があり、税金をすべて支払っておく必要があります。これにはタックスリターンだけでなく、アメリカ国外の資産の申告も含まれますので注意が必要です。

《出国税回避のための対策とは?》

◎夫婦別で確定申告を行う

過去5年の平均課税額については、夫婦合算(ジョイント)で確定申告をしている場合、永住権を手放すのが妻だけだったとしても、夫婦合算で確定申告した金額が対象となりま す。ご主人様の所得が大きかった場合、出国税の対象になる場合がありますので、永住権を手放すことが視野に入った時点で、確定申告を夫婦で分けて行って課税額を減らすのは対策の一つになります。アメリカ国籍を手放す、またはアメリカ永住権を手放すということは、ただ単に確定申告の義務から逃れるという理由だけでなく、もっと重大な意味があるということをご認識ください。この税金は、居住者としての納税者からアメリカ税務署IRSが課税できる最終的な機会ですので、今ある財産を保有しているにもかかわらず、全て売却したかのようにキャピタルゲインを計算して税を支払います。

《アメリカ永住権や国籍を返還、放棄する場合》

アメリカの永住権や市民権を返還、 放棄する場合、「Form8854」という書類を提出する必要があります。この書類を提出しなかった 場合の罰金は1万ドルと大変高額です。アメリカの永住権や市民権を返還、放棄する理由は様々ですが、その理由として、離婚や会社の帰任によって日本へ帰国する場合などが挙げられ ます。

FATCA(外国口座税務コンプライアンス法)や、FBAR(外国金融口座報告)などの申告義務により、アメリカ政府が全世界の財産申告による個人情報を把握する必要があります。アメリカ国外にある財産が1万ドル以上の場合は、アメリカ政府に毎年報告しなければいけません。

過去5年の確定申告を必ず提出していなければならないので、この時点でFBARや、 FATCAの申告が全てなされているか確認する必要があります。なされていなかった場合 は、修正申告など全て申告がきちんとされているか見直す必要があります。

401Kがある場合は納税が延期されますので、最大限に401Kに財産を入れておく のはいい考えです。401Kは、その資産を引き出した場合に課税対象になります。

《FBAR、FATCAについて》

前述したFBARや、FATCAですが、例え日本へご帰国になっても、グリーンカードを保有なさっている場合は、全世界の財産をアメリカ 政府に報告し、全世界の所得に対してアメリカ政府に確定申告する必要があります。行わなかった場合の罰金回避の条件として「申告をしなかったのが故意ではない」ということを証明することが挙げられますが、IRSが監査を始めた場合は、罰金回避は難しくなりますので、監査対象になる前に早めに申告する必要があります。

これから日本に完全帰国する方は、ぜひ上記のことに留意して帰国の準備を進めてください。心配な方は、一度、会計士に相談してみることをお勧めします。

 

尾崎 真由美 会計
全米各地に会計、経理代行、税務コンサルティングのサービスを提供。個人・法人の確定申告、ペイロール業務などをサポート。完全リモートによりフロリダのオフィスからアメリカ全域をカバーしています。全10名のCPAのうち9名が日本人のため、日本語で気軽にお問い合わせください。

 

《企業概況ニュース7月号 vol.295掲載》

 

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