Home > Featured > 新連載 第一回 4+1のPで変革をリードする

 北米現地法人には会社を変えたいという意志をお持ちのプロフェッショナルが、数多くいらっしゃいます。「現地営業のマインドを個人プレーからチームセリングに変えていきたい」「社内にKPI・数字による経営管理を浸透させたい」「ベテラン社員しか把握していない複雑な業務を棚卸し、効率化したい」など多岐に渡る変革にチャレンジされています。

 「チェンジエージェント」とケンブリッジ内では呼んでいますが、北米でコンサルタントとして活動していると沢山のそういった方達と話す機会があります。経営層の方もいれば現場の方もいますし、駐在員の方もいれば現地採用の方もいます。しかし、どのような立場であれ、言語も商文化も異なるアウェーな環境での企業変革は難易度が高く、皆さん悩まれています。そして一朝一夕で成し遂げられるものではないので、任期のある駐在員にとって、あるいは人の入れ替わりの激しい現地法人においては更にハードルが高くなります。

 会社を変えたいけれど、立ちはだかる数多くの障壁に「どこから手をつけていいのやら…」とお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか? 企業変革は一人のスーパーマンが強力なリーダーシップを発揮して進めるものではなく、強い意志を持ったチェンジエージェントが、仲間を募りながら泥臭く進めていくものです。そのため、ケンブリッジは変革プロジェクトが成功するためには「ファシリテーション」が必要不可欠だと考えます。

 「ファシリテーション」とは一般的には容易にする、促進するという意味ですが、ケンブリッジでは「実現可能なゴールを決め、逆算でプロセスを設計し、プロジェクトを推進する技術」だと考えます。そして、企業変革をファシリテートする際に成功の鍵だと考えるポイントを「4+1のP」という形で整理しています。

 「4+1のP」とは、プロジェクトを成功に導く4つの主要素に加え、プロジェクトの失敗を回避する1要素であり、以下の通りとなります。

 

Purposeプロジェクトの意義目的の明文化と浸透
People組織横断でOne Teamとなれるプロジェクトチーム
Product何をどう変えるのか、具体的な施策
Process施策を実現するための計画

+1 Possible Issues常に把握すべきリスク

 

 山登りに例えるなら、どの山頂を目指し(Purpose)誰が(People)どのような用具を持って(Product)、どのルートを辿るのか(Process)そして山頂に向かう道のりでどのような危険に備えないといけないのか(Possible Issuesいった具合になります。

 企業変革に何よりも大切なのは、会社を変えたいという強い意志を持つ人たちの存在です。しかし、がむしゃらにやればうまくいくものでもありません。変革には方法論、つまり正攻法の進め方があるのです。今後、隔月の連載でケンブリッジが考える変革の正攻法「4+1のP」をそれぞれ深掘りし、どのように実現していくのかを解説していきます。会社を変えたいチェンジエージェントの皆さんに少しでもヒントになれば幸いです。

 

《執筆》
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズは在米日系企業の業務改革、IT 戦略立案、DX に必要なコンサルティングサービスを提供しています。あらゆる変革の立ち上げから導入までを円滑に進める方法論とバイリンガルファシリテーションを武器にプロジェクトを成功に導きます。日本では 2015 年以来「働きがいのある会社 Top 10」に選出され続けています。http://www.ctp.com

《企業概況ニュース》2023年2月号掲載

 

《連載》会社を変える!明日から使えるファシリテーション術

連載① 駐在員が苦しむ「結果が出にくい構造」
連載② 「決まったこと」と「やるべきこと」を確認する
連載③ 終わり方を決めないと始められない
連載④ 会議は4つのPで準備せよ
連載⑤ あなたのチーム、ただの『ヒトの集まり』になってませんか?
連載⑥ チームの成功と成長をもたらす黄色い旗
連載⑦ 対話の相手を尊重した4つの振る舞い

連載⑧ 過去を振り返り、未来へ活かすサンセット
連載⑨ 「理由ある抵抗」と真摯に向き合え

連載⑩ 「隠れた抵抗」を見逃すな
連載11 「隠れた抵抗は「共感と共有」でケアせよ
連載12 Have fun!

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