第8回 マンハッタンの オフィス賃料が記録を作る
2016年、1月と2月の二ヶ月のマンハッタンのオフィス賃料が2002年以来の高い数字を記録した。
2016年は株の値下がりから年が始まり、雇用の増加も期待できず今年は経済的にスローになるであろうと、おおかたが悲観的な予想であったが、実際には1月と2月は、強い雇用とそれに伴う活発なオフィスリーシングが見られた。
マンハッタン全域の現在の平均家賃は、$72・80psfで、昨年2月の$69・46psfより値上がりをしている。 ミッドタウンだけに限れば、平均家賃は$80・01psfとさらに高く昨年より6%の値上りである。 ダウンタウンのオフィスマーケットは、始めて平均家賃$60psf の高い数字を打ち出し昨年の同じ時期より4%の上昇である。注目されるのは、近年TAMI (Technology, Advertising, Media, Information の略称)のセクターの活発な動きに押され気味であったファイナンシャルセクターの復活が挙げられる。今年に入ってフャイナンシャル関連テナントはミッドタウンのオフィスリース契約のおよそ40%を占めるに至った。
しかしながら、TAMIは、以前としてミッドタウンサウスとダウンタウンではオフィステナントとして大きなスペースを占有し、1月、2月の二ヶ月間のリース契約の割合はミッドタウンサウスでは、42%、ダウンタウンでは65%を占める。リーシングや投資物件売買の活発な動きはニューヨークの不動産の健全さと経済の強さを示している。
※ psf=パースクエアフット(source: Cushman & Wakefield)
Masubuchi Realty, LLC. 増渕 敬子 社長
keiko@masubuchirealty.com