米国での活動の拡大を目指したい
福岡銀行ニューヨーク 駐在員事務所
所長 上野 仁敬 氏
九州の経済を牽引し、またアジアの玄関口としても活気溢れる福岡は、歴史や文化、豊かな自然環境も享受でき、ビジネス環境と生活環境との見事な調和が大きな魅力の一つである。そんな福岡の地で何世代にも亘り、地域のお客さまに「ふくぎん」として愛されてきた福岡銀行。明治10年（１８７７年）に九州初の銀行として設立され、以来、創業から１３０年を超え、全国でも有数の歴史を有する銀行として知られる。
米国においては、１９９９年にニューヨーク支店を一旦閉鎖したが、２０１１年、駐在員事務所を開設して活動を再開。お客さまの米国に関連するニーズに現地における情報やネットワークを活用して応える体制となった。
「以前は中国などアジアに目を向けるお客さまが多かったのですが、最近は米国も増えてきており、特に飲食関係のお問い合わせが増えてきています。米国進出は、厳しい規制対応など難しい課題も多いのですが、定食屋、ラーメン店など、実際に進出を果たした企業様は、みなさんうまく軌道に乗っているようです」と、所長の上野氏。
初めて米国に来た時、ホームセンター、スーパーなどで大量に買い物をする現地の人々を目の当たりにして、米国国民の消費意欲の高さに驚愕。そして赴任から２年が経ち、金融の中心地であるニューヨークでの経験も踏まえて、米国はこの先も安定した伸びが期待できる市場であると強く感じている。
「あくまで個人としての意見ですが、お客さまにより良いサービスを提供するためにも、米国での活動の拡大を目指したいと思っています。日本の市場が縮小傾向にあるなか、今後もお客さまの海外に関するニーズは減ることはないと思いますし、銀行としても、そのニーズにいかに応えていくかは選ばれる銀行になるために必要なことだと思います。福岡銀行はアジアに７つの駐在員事務所がありますので、アジアの拠点とも連携をしたり、競争をしながら、実現していければと思っています」。
世界に８拠点の駐在員事務所を構える福岡銀行。このグローバルネットワークの強みを活かし、お客さまのグローバル化を強力にサポートしていく。
はまぎんをハブとした人脈づくりを
横浜銀行 ニューヨーク駐在員事務所
所長 樫村 亮 氏
地銀内において首位級の資産を保有する横浜銀行・通称「はまぎん」。全米で約３５０のクライアント数を誇る。今年、東日本銀行との経営統合を図り、共同持株会社「コンコルディア・フィナンシャルグループ」を設立し、マーケットの拡大と更なるサービスの充実を目指す。
「これからの生き残りを賭けて、地銀同士の連携は今後も続いていくと思います。横浜銀行と東日本銀行では得意とする客層が違い、店舗や地域の重複がほとんどありません。統合によってお互いの長所を生かし、補完し合える関係を築けるようになります。お互いのブランドはそのまま継続していきますし、お客様にとっても混乱を招くことはありません。」と樫村氏。
１９９８年まで銀行業を米国で行っていたがその後撤退し、今では駐在員事務所として在米企業の支援や情報収集活動を続ける。米国進出時に立ちはだかる様々な障壁を乗り越えるため必要不可欠な専門家、例えば法律家やコンサルタントの人脈づくりにも積極的に精を出す。横浜銀行をハブとして、クライアントとそれぞれの専門家を繋げ、クライアントのニーズに的確に応えていくことで、銀行としての付加価値を付けていく。
また、米国で商売するうえで大事なのは、十分なマーケティングリサーチをし、日米の商習慣の違いを認識することだと言う。「米国で売れたものはアジアでも売れやすいですが、その逆は何とも言えませんよね。いいものでないと見向きもされないのがこの国。しかし物の値段が上がる仕組みが出来上がっている米国経済は健全であり、例えば“サービス”のような付加価値にもお金を払う準備ができていることは賃金上昇にもつながり、結果いい経済効果を生むことになるのではないかと思っています」。
これからも現地にいるからこそできる人脈作りを広げていき、積極的な顧客支援とサポート体制を強化していく。
企業概況ニュース 2016年9月号掲載
