【イリノイ特集: Interview】
価値ある製品を世界に広めていきたい
Arakawa Chemical (USA), Inc.
副社長 河野 弘 氏
同社は、天然樹脂ロジン(松やに)の化学と独自の技術を用いて、製紙用薬品、印刷インキ用樹脂、粘着・接着剤用樹脂、また電子材料に至るまでの中間素材を開発・提供する荒川化学工業の米国現地法人である。ここ米国では、シカゴに事務所を構え、日本または海外で生産された荒川化学の製品を米州に向けて販売を行っている。
「弊社は製紙薬品、コーティング、粘接着、機能性材料の4つの事業に分かれ、米州で販売している商品の約9割が粘接着剤の原料です」と話すのは、同社の河野弘副社長。
2006年に入社。3年の上海駐在を経て米国は2年目になる。前職である商社時代の海外経験を活かして、荒川製品の販売に日々邁進中だ。「現在、紙オムツや粘着テープに使用されている粘接着剤原料が伸びています。また、近年アメリカでは溶剤を含まない、速乾性に優れ環境に優しいUVインキの売れ行きが好調ですので、その製品に使用されているコーティング材料の売上を伸ばして行きたいと考えております。
一方日本では、シップや貼薬などの医療用の粘着剤の販売率が高くなっており、米国でも医療分野で我々製品を広げていきたいです」と今後のアメリカ市場での可能性に大きく期待がかかる。日本で好調な貼薬剤に使用されている同社の製品は、松やにの欠点でもある黄色を抜いた透明無色の世界オンリーワンの商品で『パインクリスタル』と言うブランド名で販売されている。「その自然を活かした付加価値の高い製品を今後アメリカ市場で拡販していきたいです」。
「日本や海外に比べて米国荒川の販売率は僅かであるが、米州のマーケットは非常に可能性が高いと感じています。先ずは、接着剤用の原料の販売を増やしていく。特にロジン由来の接着剤の原料を我々の技術の特徴を活かして、その特殊性でアピールしていきたい。付加価値の高い製品で、ニッチの分野でシェアを勝ち取っていきたい」と2年目の目標に向けて前進中である。