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モダン定食・大戸屋 ニューヨークの戦略

モダン定食・アメリカ大戸屋の戦略

アメリカ大戸屋
社長・高田知典さん

海外における店舗数がここ10年で2倍以上に増加しているといわれる日本食レストラン、北米だけで約17000店舗が存在する。そんな日本食ブームの先駆けとなる“SUSHI”の人気はもちろんのこと、時代とともに寿司だけではない日本食ブームが到来している。「TEISHOKU」である。
おそらく誰もが一度は足を運んだことがあるだろう人気定食屋「大戸屋」が、米国に上陸し2年余りが経ったが、今なおその人気は衰えることがない。人気メニューは「しまほっけ定食」「さば塩焼き定食」「鮭西京焼き定食」「豚ロースかつ定食」。この4つは多少の順位の入れ替えはあるが、世界中にある支店のどの店舗でも共通して人気がある。また、特にほっけは徹底的な全世界共通の仕込み方法により、どの地域で食べても同じ味が保証されている。

2012年4月にグローバルフラッグショップの位置づけでニューヨークチェルシー店をオープン。日本を含む全世界に約400店舗、うち海外店舗は80店舗ほどだ。健康への関心が強く、また箸を上手に使うニューヨーカーを目の当たりにし、これなら大戸屋の定食が受け入れられると判断。その目に狂いはなく、見事連日の大盛況である。「日本食=健康・長生き」という知識が備わり、もはやアメリカ人の舌に合うような味のアレンジは不要となった。そのままの日本の味がニューヨークで受け入れられるようになったことは、食品界の大きな一歩である。

アメリカ大戸屋

もともとアジアで成功を収めていた大戸屋だが、北米上陸には数々の問題点もあった。その一番のネックとなったのが経費である。マンハッタンは場所代に人件費にと、とにかくお金がかかる。そのためどうしても日本と同じ価格設定には無理があった。しかし店内に洗練された高級感を出し、また定食メニューに必ず茶碗蒸しをつけたり、お酒の提供など、価格に見合ったサービスを提供し現地流に合わせることで、この価格のギャップを埋めることに成功。また店員の接客サービスもキラリと光る。外国人スタッフに対しても徹底した日本流の社員教育がなされているため、とても気分よく食事が楽しめる。この社員教育の根底にあるのは開店前に必ず行われる朝礼。日本語での挨拶や経営理念の唱和をスタッフ全員が毎日欠かさず行う様子は、まるで日本そのもの。日本の精神がうまく受け継げられている。アメリカ流を適材適所に投影させつつ、日本流のベースは崩さない。そして「“あのNY”でも大戸屋は流行っているらしいよ」というニューヨークブランドを借りた話題性が、大戸屋のブランド力をも高める。これがアメリカ大戸屋成功の秘訣だ。「昔ながらの日本の定食はたくさんの食材を均等に使いヘルシー。それを現地の人に知ってもらい、普段通りの味を提供することで健康を促進することが使命だと思っています。」

今秋にはニューヨーク3店舗目のオープンを控えている。さらに来年にはもう2店舗を新たにオープンする予定だ。2~3年以内にニューヨークエリアだけで10店舗を目指すというアメリカ大戸屋の快進撃はまだまだ止まらない。