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商工中金ニューヨーク支店 支店長 中島 潔 氏

今月の人

中小企業の頼れる存在─商工中金

中小企業との間に確かな絆を構築する金融機関

日本における中小企業の数は約385万社と言われており、全企業数の99・7%を占める。この数字から見ても明らかな通り、中小企業こそが日本経済の根底を支えていることが分かる。かつて、事業の海外展開を試みるのは大企業のみと言われていたが、近年その裾野が広がってきており、あらゆる業種の中小企業が海外へ活路を見出そうとしている、そう指摘するのは商工中金ニューヨーク支店長の中島さん。

商工中金は、設備資金や長期運転資金など、中小企業が事業のために必要とする資金に対し、幅広い融資を行う金融機関である。バブル経済期の1980年台、大企業が米国でモノを現地生産する流れが加速するのに伴い、付随する中小企業も米国進出するようになった。その流れを受けて86年にニューヨーク支店が設立され、以降30年間、中小企業にとっての心強い存在としてその地位を確立してきた。為替リスクがないドルベースでの融資や、初めて海外進出を試みる企業に対してワンストップでのサポート提供が強みとなる。

昨今、米国の景気の良さが追い風となり、製造業を中心にアジア一辺倒だった流れから、米国に目を向ける動きへとシフトする傾向が見られる。事業の拡大や設備投資等を積極的に行う企業が増えており、難しいとされる海外進出のための資金調達に対して、出来る限り要望に応えるべく努力を惜しまない。

その根底にあるのは「中小企業を支える金融機関として、安心感・安定感を与えられる存在として皆様のお役に立ちたい」という熱い想いだ。「以前と比べるとニューヨークにある日系の金融機関の数が減っています。こういう時だからこそ、安定した資金供給の商工中金があるから大丈夫! と思ってもらえるようになりたいと思っています。経営者の方と経営戦略上の意思疎通ができる企業様との『リレーションシップ・バンキング』を大切にしています。月の半分は北米各地のお客様を訪問し、現場を勉強させていただいています。米国進出や資金調達の件でお困りのことがありましたら、ぜひご相談ください」

一度目のニューヨーク赴任は1997年からの4年間だった。「当時はIT関連の全盛期でアメリカの景気がいい時代でした。その後、テロやリーマン・ショックなどありましたが、やはりアメリカの経済力の底力をいつの時代も感じます。アメリカは自国で生産し、それを売り切る力がありますね。インフレな国ゆえに物価の上昇も激しく、97年の時と比べると1・5倍ぐらいになった感じがします。でも、いつの時代も活気があり、芸術レベルも一流のこの街が好きです」。

日本の経済を支える中小企業。そして、その中小企業を支える商工中金。まさに「縁の下の力持ち」そんな言葉がピッタリくる、力強く頼れる存在だ。