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カシオ・アメリカ 伊東重典会長    

アメリカ市場に目を向けた戦略を立て、日本をはじめ、世界でどう展開するか
カシオ・アメリカ 伊東重典会長    

今月の人

 

    アメリカ市場に目を向けた戦略を立て、
    日本をはじめ、世界でどう展開するか―
                 カシオ・アメリカ 伊東重典会長

 

March, 2014 Issue 「Kigyo Gaikyo News」

アメリカでタフネスウォッチとして認知されていた『Gショック』。そのブランドのコアを守りながらコンセプトをイチから練り直し、誰もが知る世界的ブランドへと育てあげた。確かな技術と斬新なマーケティングで躍進を続けるカシオ・アメリカ。常に進化するマーケティングで知られる伊東重典会長に、これからの展開について話を聞いた。

▼ Gショックマニアが全米で急増していますが。

時計は、個性を表現する重要なツールです。大きく、存在感あるUSサイズのGショックが、センスある若者を中心に、世界中で受け入れられたのです。色に関しても同様、靴やキャップと合わせて、ファッションを意識した表現が可能です。そこにアスリートやアーティスト、数量限定モデルといった、適切な『ストーリー』を埋め込めた時に、爆発的な相乗効果が得られるのです。そして結果的に現在のようなムーブメントがおきています。

▼今年はどのような展開をお考えでしょうか。

  トルノーなどの高級時計店での販路拡大戦略を進めていきます。中級価格帯のメタル製エディフィスの他、高価格帯のメタル製アナログGショックなどを前面に売り出していく予定です。まずは、売れる仕組みを作り、流通を拡大し、さらに上位の流通へと規模拡大をしていくーーGショックで培ってきたこの成功モデルを基に、他ブランドの拡張を計っていきたいと考えています。

マーケティング戦略に関して具体的には申し上げられませんが、現状存在しない新しいカシオ・オリジナルのテクノロジーを搭載した商品群を投入し、さらにマーケットをもり上げていきたいと考えております。

 ▼ 時計以外の商品はいかがですか?

  プロジェクターでは、ランプ交換不要の『ランプフリー』が、教育マーケットを中心にシェアを延ばしています。他社製品では約2000~3000時間でランプ交換が必要なのに対し、当社商品は2万時間程度の使用が可能です。この大きな強みを武器に、BtoB路線を守りながら、リテーラーへの展開を進めていく狙いです。ECR(キャッシュレジスター)分野には、非常に強い商品を投入したので、シェア倍増を期待しています。電卓も、付加価値の高いプリンター電卓、大型電卓、関数電卓など高付加商品が、安定した高評価を得ています。全体的に調子はいいですよ。

音楽関連はいかがでしょうか。

  リーマンショック以降、楽器マーケットの縮小傾向が続いていますが、若者の楽器に対する考え方にも変化が見られます。楽器は、『弾いて楽しむから、(音を)作って楽しむ、変えて楽しむへ』と新しいカルチャー構築に向かっているのです。我々はそこのマーケットに対して商品を作っていこうと。Gショックと同様、高価格帯と普及価格帯の商品を展開し、若者の中に音を創る楽しみをカルチャーとして発信していくといった、これまでとは少し違ったアプローチをしていくつもりです。

伊東さんの考える『企画のコツ』とは?

  「常識にとらわれず進化を常に考え続けていく」ことです。黒でなければいけないと言われていたGショックに赤や黄、緑、白といった原色コンセプトを付け、大きいことが常識だったGショックにスーツに合う小さなGショックを投入しました。お客様目線で、「どんな商品が求められているのか」を常に考えています。その答えが、現在の爆発的なGショック人気に繋がっているのだと思います。

以前、タフネスウォッチという位置付けだけだったGショックを根本的に見直し、商品開発を進め、辿り着いたのが、「サーファーやスノーボーダーもが愛用するファッショナブルな時計」というコンセプト。常にクールであり続けなければならないプレッシャーを感じていますが、進化をしない生き物は淘汰されます。本当の勝負はここからだと思っています。

グローバル戦略についてお聞かせ下さい。

  グローバル規模で成功している企業に目を向けると、まずは世界一競争が激しいアメリカで勝つ戦略を取り、他国へと展開していく流れに気付きます。しかし、一部の日本企業では未だにベースを日本に置き、日本に向けた商品開発を続けています。この考えを捨て、アメリカ市場に向けた商品企画をしつつ、それを日本や他国でどう売るか。「発想の軸」を少し変えるだけで、グローバル展開への道筋は見えてくるのだと思います。アメリカは、他民族国家です。そのため市場分析が非常に難しいのも事実ですが、一度波を捉えることができれば、全世界に広がる爆発力には凄まじいものがあるのです。

ソーホーに旗艦店をオープンされましたが、そのインパクトは。

  ニューヨークの発信力は魅力的です。情報発信力はもちろん、人脈やそこに集まる人々の感性には、非常に大きなパワーを感じます。ソーホーのGショック旗艦店も、ただの販売ショップというだけでなく、メディアを招待したイベント会場だったり、コンセプトを形にする場だったりと「ブランド発信地」としての大きな役割を担っています。将来的には他エリアでの展開も考えているのですが、まずはニューヨークですね。

これまでにも非常に多種多様なGショックを販売してきました。しかし、まだまだリーチしきれていない層が存在します。今後は、この層へと、いかにアプローチしていくかがカギになります。そのための戦略も磨き上げています。まだまだ、ワクワクするような商品を温存していますので、乞うご期待下さい。

ありがとうございました。