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カワサキ・モータース・ コーポレーション 社長 中川 雅文  (米国は)実益と趣味を兼ねた四輪車の伸びが大きい

(米国は)実益と趣味を兼ねた四輪車の伸びが大きい

カワサキ・モータース・コーポレーション
社長 中川 雅文 氏

 

「『仕事が趣味』『趣味が仕事』のような一体感がある」―――イベントや試乗会を通じ顧客と一緒に楽しむことができる。入社以来、そうした〝楽しさ〞を仕事の醍醐味として実感してきた。今、最も力を入れている商品に四輪車の「サイドバイサイド」がある。従来、農業用に使われていたものを、平日は農業用に、週末にはレジャーで使えるというアイディア商品。家族で楽しめる新しいカテゴリーとして、米国とカナダで急速にその市場を拡大している。

「アメリカはオフロード。国土が広く楽しめる場所もふんだんにある。森の中でのハンティング、フィッシングなど。アウトドアのレジャー環境は他国と比較すると圧倒的に(米国が)整っている。

実益と趣味を兼ねた四輪車の伸びもそうした環境に負うところが大きい。これからも、オフロードでの遊び方をさらに提案できる商品開発に力を入れていきたい」

同社は、リーマンショック後、タイを拠点に、製造を海外に移管しながら、世界市場を睨んだバランス経営に乗り出した。世界の需要を予測しながら、生産をコントロールしながら多様化するニーズに対応。グローバルな視点から開発とマーケティングに力を注いできた。

「リーマンショック前は欧米に圧倒的なシェアがあった。しかし、その後は、中型車、小型車をタイやインドネシア、そして南米のブラジルなどの新興国への販売にと切り替えた。商品ラインを増やし、上半分を先進国、下半分を新興国、オーバーラップするところを、先進国ではエントリー車、新興国では上級車としたマーケティング戦略を進めてきた。それが功を奏し、ビジネスがここ数年で安定してきている」

ビジネス上、気になる点はアメリカ人の趣味の多様化。アウトドアを楽しむ人の平均年齢が上がっているとの声。業界全体で、アウトドアの魅力を発信するイベントの重要性を指摘する。一方、新興国では、庶民の生活が豊かになり、〝トランスポーテーション〞から〝レジャー〞へと移る人々が急増しているのも事実。

「世界の需要は上向き傾向にある。アメリカ市場も、難しい反面、やり方次第では拡大のチャンスは充分にあると見ている」