Home > Featured > 社員のワクワク感から生まれる、新しい価値
《全日本空輸株式会社》

社員のワクワク感から生まれる、新しい価値
《全日本空輸株式会社》

 

 

 

 

全日本空輸株式会社
執行役員 / 米州室長兼ニューヨーク支店長

野村 俊央 さん
www.fly-ana.com

 コロナ禍で日米間移動が少なかった時期、貨物輸送やアジア渡航者にフォーカスを当ててきた全日本空輸株式会社(以下、ANA)。昨年10月の入国制限緩和を機に訪日客の動きが活発化し、アメリカ、カナダ、メキシコからの旅客数も2019年90%の状態にまで回復、2023年3月27日にはJFK─羽田便の増便により、日米間の移動にさらなる選択肢を提供していく。昨年4月、米州室長兼ニューヨーク支店長に着任した野村俊央さんに、アメリカ市場におけるANAの今後の展開や、その役割についてお話を聞いた。

日本を訪れるなら〝ANA〟で

 英国を拠点とする世界の航空業界調査・格付け会社SKYTRAXの〝ワールド・エアライン・スター・レイティング〟において、10年連続で最高評価の5スターを獲得したANAだが、アメリカ市場での知名度はまだまだ低い。そのプレゼンスを上げていくことが、自らに課された最重要課題だと野村さんは言う。「2012年から3年間シアトル支店長として赴任していた時にも感じたことですが、アメリカには非常に多くの親日家がいらっしゃいます。こうした方々との交流の場を増やし、少しでも日本に行ってみたいという人を増やしていきたい。プロダクトには確固たる自信がありますので、まずは体験しANAのファンになって頂きたい。そして〝日本に行くならANA〟と言って頂けるように取り組んでいます」。

 そこで無視できないのがZ世代やY世代へのアプローチだ。これまでもEDM(エレクトリック・ダンス・ミュージック)の世界的プロデューサーとして著名なスティーブ・アオキさんとのコラボで若者の目を日本へと惹きつけてきたが、近年は、より自分に近い〝マイクロインフルエンサー〟を通じたアプローチ展開が重要だという。また、訪日外国人は〝訪問型〟よりも〝体験型〟スタイルを好む傾向にあり、着物を着て、陶器を焼いて、そして和紙を漉いて日本を体験しながら感じる。他にも、日本の雄大な自然での山登りやハイキング、アニメの聖地巡礼など、これまでの食事や買い物に文化体験やアドベンチャー体験が加わり、その楽しみ方に一層の幅が生まれている。

 この流れに対し、少しでも多くの訪日外国人に日本を好きになってもらおうと、日本政府観光局(JNTO)や航空各社、旅行各社を中心に、魅力的な企画が考えられている。ANAでも、この3月に米系大手旅行誌のライターを招き、ANAの体験搭乗に加えて、まだアメリカではあまり知られていない日本の穴場を紹介する機会を設けた。「日本を訪れるのであれば、やはり現地日本人との交流を通じて、彼らが普段何を考えているのかなどを感じてもらいたい。まずは、東京、大阪のゴールデンルート、そして札幌、福岡、例えばその次は飛騨、鹿児島と多くの地方都市も含めて何度も日本を訪れ、その都度、新しい日本の魅力を発見して頂きたいですね」。

最先端の考え方をグローバル経営に

 ESGやSAF開発・流通の環境問題認識、DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)への取り組み、デジタル化の分野では、やはり欧米を中心に新しい考えが生まれている。こうした先進的知識や分析データの入手も、アメリカでビジネスを行うANAに課された任務の一つとなる。例えば、持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)の開発もや生産も欧米がリードしている分野であり、日本においては、最近になってようやく官民協議会が動き出した。

 「機体設計や飛行経路の取り方による燃料低減、SAFの多様な開発・確保は、業界内でも非常にホットなトピックです。ANAグループでは、2030年度までに消費燃料の10%以上をSAFに置き換える目標を掲げ、多種多様なSAFの調達に取り組んでいます。二酸化炭素排出削減に係るグローバルな削減目標対し、どのように国を巻き込み、顧客の理解を深めていくのかここが重要なポイントだと考えています」。

********

海外の良いものを積極的に取り込む

 野村さんは、父親の仕事の関係で小学5年生から中学3年生の春までをオーストラリアで暮らした。そこで感じたのは、日本という国があまり理解されていないということ。こうした経験をもとに、将来は日本と海外の架け橋となる仕事に就きたいと思い、たどり着いたのがANAだった。

 入社以来、運航本部管理室企画部やマーケティング本部、財務部原価予算チーム、調達部と様々な業務に関わってきたが、大きなターニングポイントは、国際提携部の時のスターアライアンス加盟だった。「アライアンスに加わるには、彼らのスタンダードに合わせることが不可欠で、世界中から集まった関係担当者たちと英語のみの会議を繰り返す毎日でした。ただ、山本五十六の〝やってみせて〜”の言葉ではないですが、社内の各担当者を連れて一緒にスターアライアンスの各種会議に出席する中で一気に社内のグローバル化が進んだと感じました。海外の良い点を積極的に取り入れ、難しいことにも主体的に挑戦してみようという考え方は、この時身に付いたのだと思います」。

 この考えは、野村さんのトップとしての在り方にも少なからず影響を与えた。「ANAがアメリカで社会的に認められるには、現地で働くスタッフたちに〝ANAらしさ〟を理解してもらう必要があります。国籍も人種も、価値観もバラバラな中で企業文化を伝えていくには、やはり実際の体験を通じて感じることが最適ですので、そんな時は日本を訪れ、成田や羽田に並ぶANAのロゴが入った機体を見て、日本のスタッフとも交流し、ANAの良さを実感してもらいたい。そこで感じたことを伝える時の、スタッフの〝ワクワク感〟や〝生き生きした表情〟が、お客様に必ず新しい価値を提供してくれます。結果として企業価値は上がり、社会にも認められていく。数ある航空会社から、日本のANAを選び入社を決めた現地スタッフの想いに応える意味でも、こうした人材育成の仕組みをもう一度見直し、再構築していくことにも取り組んでいきたい」と野村さんは話を括った。

 

**********************

3月26日より
JFK─羽田線を増便

ANAでは、3月26日からJFK─羽田線を現行の週7往復(NH109/110便)から週10往復に増便した。増便分のNH159便はJFKを深夜2時に発ち、翌朝の早朝5時に羽田に到着する深夜便となり、到着初日から有意義に時間を活用したいビジネス、訪日観光双方のニーズを満たすものとなる。羽田空港からは、国内やアジアへの乗り継ぎも充実しており、その日のうちに最終目的地へと向かえるメリットも大きい。機材はボーイング777-300ER型機を導入。最新ファーストクラス「THE Suite」、ビジネスクラス「THE Room」でフラットシートに扉の付いた半個室で最上級のくつろぎ空間を満喫できる。さらに9月からはNH159/160便を週7往復とし、JFK=羽田線はデイリー2便での運航を予定している。

《運航スケジュール》
NH159 JFK-HND 02:00-05:00(+1)
週3便(月・水・土)9/2から週7便運航

NH160 HND-JFK 22:55-22:50
週3便(火・金・日)9/1から週7便運航

 

 

**********************

You may also like
米国パソナ主催ウェビナー・エグゼクティブ対談シリーズ
《鳩山総合研究所 編》
ニューヨーク─羽田線を増便、
週に合計10往復へ!《ANA》
世界で認められる グローバルエアラインへ
全日本空輸株式会社(ANA)
少数精鋭チームで、
日系企業のビジネス旅行をサポート
United Airlines アジア・パシフィック営業部チーム