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《富田製薬株式会社 米国ニュージャージー支店》
支店長 黒坂 和彦氏

更なるグローバル展開を目指す
《富田製薬株式会社 米国ニュージャージー支店》
支店長 黒坂 和彦氏

富田製薬株式会社 米国ニュージャージー支店 支店長 黒坂 和彦氏
TOMITAでしかできない製品を市場に供給し続け、
更なるグローバル展開を目指す
富田製薬株式会社 米国ニュージャージー支店
支店長 黒坂 和彦氏

定期的な発信と情報共有が重要

日本国内のビジネス成熟化を受け、海外での市場拡大へと舵を切った富田製薬。2011 年に米国ニュージャージー州フォートリーにオフィスを開設し、以来、独自の優れた技術力を活かし、高付加価値な原材料を開発・提案し続ける。2017 年に駐在員事務所を支店化し本格的な営業活動を開始すると、顧客のニーズを丁寧に聞き、展示会で特徴のある製品をアピールするなど、TOMITAのプレゼンスを高め続けてきた。黒坂さんが米国に赴任した3年前に比べると売上高がほぼ2倍の規模となり、その成果をしっかりと感じられるほどに成長した。

1893 年(明治 26 年)に創業し、日本で初めて苦汁(海水成分)を原料とした塩基性炭酸マグネシウムの合成に成功、無機化学工業のパイオニアとして知られる富田製薬。医薬品分野を中心に食品、ファインケミカル分野など研究開発型企業として不動の地位を築き、世界にもその名を広めてきた。唯一の海外拠点となるニュージャージー支店では、北米やヨーロッパの他、アジアの一部の顧客サポートも行い、年々その重要性を高めている。日本市場では粉末透析剤の売上高の比率が大きいが、ここ北米市場では注射剤といった医薬品の原材料や食品や化粧品向け添加剤を主力製品としており、高い競争力をキープしている。これまで4名の小規模体制で業績を順調に伸ばしてきたが、今後は『営業力強化』や『現地化』の2つがキーワードになると黒坂さんは考える。「原材料供給という重要な役割を担っていますので、そこを強みに市場開拓を推進します。高いリサーチ能力、そして営業力が不可欠となりますが、ここをどう強化していくか。これが今後の大きなカギとなるでしょう」。

直近2、3年でさらに増収増益、そして人員体制強化を目指す。「富田製薬の海外事業にとって、ニュージャージー支店が、コアな役割を果たすようにしていきたい。TOMITAでしかできないものを開発・生産し、顧客に提案し続けていくこと。これが最大のポイントとなります。規模が拡大すると、人事労務管理や契約管理の強化、サプライチェーンの構築など新た課題も増えていきますが、ここをしっかりと抑え、乗り越えていくことが非常に重要と考えています」と黒坂さんは自らに言い聞かせる。
昨年、創立 125 周年の節目を迎えた。世界へと活躍の場を移して、今後も大きく羽ばたくためには、ニュージャージー支店の重要性がますます高まると黒坂さんは考える。そのためにも欠かせないのが情報の発信。遠く離れた本社に定期的な発信を続け、情報を関係者と共有していくことが非常に重要なのだと言う。現地法人化という次のステップも視野に入れ、富田製薬は、一歩一歩前進を続けていく。
《企業概況ニュース 2019年 1月号掲載》