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【30周年】受託生産という新機軸で化学品製造老舗としての未来を紡ぐ

SOFIX LLC                               http://www.sofix.net
President Paul Cahill    氏 

 1990年に日本の長瀬産業と山田化学工業の合弁会社としてテネシー州に設立され、カラーフォーマー(感熱紙、感圧紙染料)の製造を開始し今年で30年となる。現在中国企業との競争激化により、大きな転換期真っ只中だという。

 いまでは影を潜めてしまったが設立当時ファクシミリは最先端で、社名にもそれが反映されている。「ソフィスティケイテッドとファクスを掛け合わせ、音感が良くないということでソフィックスに。当時の社長がアートに造詣が深く、熟考して作ったロゴマークにはSのマークとテネシー川の流れが表現されています」と話すのは、このジョイントベンチャー発足当初からのメンバーである社長のケイヒルさん。ソフィックス以前は長瀬産業と技術提携していたオクラホマの米国企業に勤めていた。前職の上司がソフィックス設立にあたり引き抜かれ「その上司からある日突然電話が来て、テネシーに来ないかと誘われました。工場建設デザインから携わり、もう30年前のことですね」と笑う。「たとえばナガセの人々がマネージャーになり、ボードメンバーになり、そしてリタイアしていく。ひとりの人がキャリアを全うしていくのをみるのはとても興味深い体験でした」と日本企業の事業立ち上げから現在を間近で見てきたケイヒルさんならではの感想だ。

 2011年から長瀬産業が100%親会社となったソフィックスは、創立当初から続くカラーフォーマーの製造に加え、現在は3Dプリンティング業界向けのプラスチック素材の製造に乗り出している。また2016年には、これまでの実績と数々の認証を受けた 生産設備や労働力、化学系専門商社長瀬産業グループのネットワークを活かし各種化学品の受託生産も開始。製造拠点を持たないR&D企業との協業など、新たな事業に力を入れている。「25周年は盛大に祝いましたが、30周年は新しいビジネスを成功に導く年です」。

《企業概況ニュース》2020年 9月号掲載