Home > US Living > LIFESTYLE > Fashion > 高級ファッションブランドが選ぶ意匠性の高いリボン《SHINDO USA》

SHINDO USA
President  堀 健一 さん
https://www.shindo.com/

 

 服飾副資材の製造・企画・販売を中核に、産業資材、シリコーン事業を展開する㈱SHINDO。1970年の創業以前に現会長・CEOである新道忠志氏がパリを旅行した際に貴族のファッションとして生まれた装飾品であるリボンに感銘を受け、当時日本では馴染みのなかった服飾副資材に挑戦したことが始まりである。SHINDO USAは2010年に設立され、香港拠点のDeputy General Managerと米国法人のPresidentを兼任する堀さんが統括している。2021年10月よりマンハッタンのファッションディストリクトにあるショールームに福井県の本社より竹内さんが駐在員として常駐することになった。同社事業の3割が産業資材とシリコーン、7割が服飾副資材で、その服飾副資材とはいわゆるテープ状の“リボン”である。特にハイブランド、ハイファッションと言われる世界のファッションブランドにて同社の製品が採用されており、「アディダスのあの3本線。あのテープも、弊社の製品なんですよ」と堀さん。アメリカファッションブランドの企画本部が多く所在するニューヨークに本社からの駐在員を配置することで、営業力すなわち製品技術力のアピールの強化と次世代人材の育成を目指している。

 開発力を活かしたスペシャルオーダーや2次加工にも対応し、カスタム商品も取り扱っているが、同社の強みは定番商品である。SHINDOのリボンの定番として展開している自社ブランド「SIC」は、プレーンな無地テープや意匠性のあるブレード・ニット・ストレッチテープ・パイピング・トリミングレースなど幅広く、色・幅の展開を合計すると4万2000点に及ぶ。それらは企画・開発から織り・編み・組み・染め、後加工までを自社工場で一貫生産のもと産み出されている。もちろん、同社の製品力あってのことであるが「アメリカのファッション業界においてはビジネスのテンポが速く、それほど製品の技術背景にまで踏み込んで来ない例が多いので、弊社のカタログビジネスは彼らのビジネススタイルに合致していると感じています」と堀さんは話す。また、最近のトレンドとして、アスレジャーと呼ばれる高級ファッションブランドがスポーツテイストを取り入れた商品企画をする傾向もあり、こうしたスペシャルオーダーに対しても福井本社生え抜きの竹内さんが常駐することで、提案力を高めた迅速な対応が可能になる。

 

 

 色とりどりのリボンが道行く人たちの目を惹くニューヨークのショールームにも、常時4万2000点のサンプルが展示されている。竹内さんのミッションは、ファッション分野における同社製品の裾野を広げる事である。「初めての海外赴任で、いきなりコロナの影響や、アメリカの人件費・家賃・物価の高騰に非常に驚いていて、とんでもない時期に来てしまったというのが正直な感想です。しかし、日本では味わったことのない文化を知るのは本当に面白いです。日本人は平等を求めますが、こちらの格差の大きさに驚いています。仕事面では、せっかく良い機会を頂いたので、現法業績の成長や人材育成を長期的に捉え、現地の人を中心に運営していくことが目標です」。

《企業概況ニュース》2022年 6月号掲載