皆さんはEmployer of Record(EOR)という言葉を耳にしことはありますか。直訳すると「記録上の雇用主」となりますが、分かりやすく言えば、海外での雇用代行をしてくれる業者となります。いわゆる派遣業者と同じようにも聞こえますが、大きな違いの一つとして、EORでは「企業が拠点を持たない国での雇用を代行できる」ということがあります。EORを活用することで、世界中の人材を雇用することが可能になるという、まさに〝新しい人材確保の方法〟と言えるでしょう。このEOR業界が、ここ1、2年の間に爆発的に成長しています。
どのような場合に活用されるの?
活用事例は様々ですが、最も一般的な例としては、以下のようなものがあります。
・世界中の優秀な人材を雇用したい。
・新たなマーケットに進出したい。
・Independent Contractorと契約しているけど、コンプライアンス的に心配。
・優秀な外国籍の社員が母国に帰国してしまう。
具体的な個々の事例については、今後の連載で共有していきたいと思います。
どのようなメリットがあるの?
EORのメリットには次のようなものが挙げられます。
・場所を問わない雇用が可能となるため、アクセス出来る人材プールが格段に広がる。
・トライアル的に新たなマーケットへの進出を試みることが出来るので、コスト、リスクを抑えられる。
・進出先の国に法人を設立するやり方よりも圧倒的にスピードが早い。
・特に米国のように給与が高騰しているマーケットでは、EORを活用することによって近隣の国の人材を比較的安価に確保できる。
EORの背景
EORの事業モデル自体は、米国をはじめとして2000年代前半から存在していましたが、ここ数年でEORへのニーズが爆発的に伸びました。その要因の一つはコロナウイルスの世界的蔓延です。コロナウイルスが猛威を振るう中、各企業は従業員の働き方について見直さざるを得なくなりました。従来であれば、オフィスに出勤をするスタイルからリモート勤務に切り替える企業が多くなり、そのようなトランジションを経験する中で、リモートでも機能する、むしろ生産性が上がるということが証明され、必ずしも物理的に同じ空間にいる必要がないという考えが広がりました。このような流れの中でEORのニーズは引き続き伸びていくと見られています。
次回以降具体的な事例を紹介させて頂きます。
《執筆者》
ディレクター 沖室 晃平
kohei.okimuro@goglobalgeo.com
GoGlobalは日本初のEORサービスプロバイダーで世界100ヵ国以上で雇用代行サービスを展開しており、グローバルで2000名を超える社員の雇用代行を行う。
https://goglobalgeo.com/ja-jp/